つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

運動不足で大腸がんになりやすい理由

運動不足で大腸がんになりやすいのは何故か

 

運動不足は生活習慣病のリスクであることは有名であるが、悪性腫瘍も例外ではない。特に大腸がんと運動不足の関係性は強く指摘されていてほぼ間違いないだろうと考えられている。

 

最も有力な仮説として…

運動不足によって耐糖能異常および糖尿病になるとインスリン抵抗性が増加(つまりインスリンが効きにくくなる)し、膵臓が血糖値を下げようとインスリンを過剰に合成してしまう。インスリンは細胞への糖の取り込みだけでなく、細胞増殖や成長を促進するIGF-1の働きを強める役割もある。よって高インスリン血症が長引くとIGF1も高い値になり、細胞増殖が促進されることにより大腸腫瘍発症の引き金になるのではないかと考えられている。

 

インスリンの合成量のマーカーとしてCペプチドというタンパクがあるが、Cペプチドが高い男性では3.2倍の大腸がんリスクであるとの報告もある。*1

*1:多目的コホート研究(JPHC研究)」(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)