つねぴーblog@内科専門医

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脂肪塞栓症候群で点状出血となる理由

脂肪塞栓症候群とは

骨折の骨髄部から遊離脂肪酸が静脈内に流入して肺で脂肪塞栓を形成、更に一部は全身をめぐり諸臓器で塞栓を起こすことが原因。他にも外傷後に起こる脂質代謝の変化も要因の1つと考えられている。

 

脂肪塞栓症候群には鶴田の診断基準が用いられる。

 

 大基準
1.点状出血
2.呼吸器症状および肺X線病変
3.頭部外傷と関連しない脳・神経症状
中基準
1.低酸素血症(PaO2<70mmHg)
2.ヘモグロビン値低下(<10g/dl)

少基準
1.頻脈
2.発熱
3.尿中脂肪滴
4.血小板減少
5.赤沈の促成ん
6.血清リパーゼ上昇
7.血中遊離脂肪滴

大基準2項目以上
大基準1、中小基準4以上で臨床診断確定
大基準0,中基準1,少基準4で疑い。

 

・脂肪塞栓症候群で点状出血を起こすのは何故か

点状出血は体幹の前上部、首、上腕、肩、唇など様々なところに出現する。尚、出現するのは遅く、また数時間以内に消失するのが典型的である。点状出血のメカニズムとしては塞栓が皮膚の毛細血管に詰まり、血管の脆弱性が増して微小な出血が起きているからと考えられている。