つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

人差し指と薬指の長さの比率から”男らしさ”がわかるという話

人差し指と薬指の長さの比率から”男らしさ”がわかるという話

 

人は胎生期に精巣が作られるとそこからアンドロゲンの分泌が始まるが、ある時期(妊娠12〜22週)の間に特に大量のアンドロゲンが分泌される(=アンドロゲンシャワー)。アンドロゲンは生殖器の発生発達だけでなく、全身に作用して”男らしさ”の形成において重要な役割を果たしている。

 

どの程度のアンドロゲンが胎生期に分泌されたのかは生まれてから調べることは出来ないが、間接的な指標として人差し指と薬指の長さの比率が用いられる。アンドロゲンを浴びた量が多いほど人差し指が薬指に対して短くなるのである。

つまり男性では薬指に対して人差し指が短く、女性では薬指に対して人差し指が長い傾向にある。

日本人の平均的な値としては

男性:人差し指/薬指 =0.91

女性:人差し指/薬指=0.98

とされている。

 

この指の長さの比率は5歳までに固定してそれ以降は変化しない(つまり思春期にいくらアンドロゲンが分泌されようが、薬として投与されようが変わらない)。

アンドロゲンシャワーは全身に作用すると先に述べたが、例えば中枢神経系にも作用することがわかっている。ラット研究レベルでの話であるが、内側視索前野と呼ばれる領域はアンドロゲンによって細胞数も大きさも増大することがわかっており、雄のラットはメスのラットよりも5倍ほど大きい。そしてその領域を破壊するとオスは性行動をしめさなくなることから、アンドロゲン分泌量が男的な性格も作っていることが示唆される。

また、この時に脳は女性的特徴(ホルモン分泌の周期性)を失う。

性行動以外にも判断力や性格形成にも重要な影響を与えている。あまり一般化出来る話でも無いかもしれないが、優れた実績を出しているプロスポーツ選手ほど人差し指/薬指の比率が小さく、また比率が大きいほど音楽の才能が抜きん出ているという報告もある。