総肺静脈還流異常症で雪だるま状陰影になる話
総肺静脈還流異常症とは
本来肺静脈は左心房に流れるが、本症では右心系に流れ込んでしまう。この血行動態だと血液の酸素化が行われないので生存は不可能そうであるが、本症では心房中隔欠損症を合併しているので右房から一部の血液は左房に流れ酸素かされるので何とか酸素を全身に回している。
本症は総肺静脈が右心系のどこに還流するかで1〜4型に分類される。
最も多いのは上心臓型と呼ばれる1型であり、肺静脈は上大静脈に還流し、そこから右房に戻る。1型では上大静脈が大きく拡大するので非常に特徴的なレントゲン像”雪だるま型陰影”となる。
Congenital heart disease and vascular abnormality(x-ray findings)参照
胸部レントゲンで右1弓は上大静脈、右2弓は右心房を意味しているが、上の写真ほど右1弓が突出しているのは他にないかもしれない。