つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

胃潰瘍からの吐血が”コーヒー残渣様”となる理由

消化管のどこから出血するかで吐血の性状が異なるという話

 

食道や胃などの上部消化管(特にトライツ靭帯よりも口側)で出血をきたすと口から血液が吐き出される吐血となるが、その血液の性状・色合いはどの程度胃酸に曝されるかによって異なる。

 

なぜなら赤色のヘモグロビンは胃酸によって酸化されて褐色のヘマチンになるからである。大量に出血が起こればすぐに吐き出されるので鮮やかな赤色をしているはずであるが、出血が少量であったり、胃での停滞時間が長いなどの理由により酸化が十分に起こると吐血される血液は”コーヒー様残渣物”と呼ばれる褐色を呈することになる。原則的には口に近い食道における出血では新鮮な赤色、胃からの出血ではコーヒー様と考えて良いようである。

 

コーヒー様残渣。こんな感じの色?

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画像引用元:http://blog.goo.ne.jp/naturalsouji/e/0217645d2c61fc1b71142e2c9c7cccab