単純型熱性痙攣と複雑型熱性痙攣の違い
単純型熱性痙攣と複雑型熱性痙攣の違い
【熱性けいれんの概要】
熱性けいれんとは38度以上の発熱に伴う全身けいれんのうち、器質的原因が特に無いものを言う(中枢神経系の感染症や他の頭蓋内の異常を除外してから診断)。
乳幼児の8%が罹患し、乳幼児のけいれんの中では最多(約半数)である。
発症年齢は6ヶ月〜5歳ほどであり、好発は1〜2歳の乳幼児。
【病態】
小児は脳組織が発育の途上にあるので、発熱によって脳細胞の膜透過性が亢進し、細胞興奮性が高まることで発症してしまうと考えられている。よって扁桃炎や咽頭炎など上気道感染が発症の誘引となることが多い。また、家族歴も発症リスクの1つであることから遺伝的な関連も示唆されているが、詳細は不明である。
熱性けいれんはその頻度や時間、年齢などによって単純型と複雑型に分けれる。
それぞれの特徴をまとめると…
単純型熱性けいれん
・6ヶ月以降の乳幼児にみられる
・熱の上昇期に発症
・強直性間代性
・巣症状はなし
・頻度少ない
・時間短い(20分以内、多くは5分以内)
・左右対称(両側性)
・発達正常
単純型熱性けいれんは予後良好であり、経過観察で良い。
複雑型熱性けいれん
・6歳以上でも起こる
・巣症状あり
・頻度多い(24時間以内の反復発作)
・時間長い(20分以上)
・非対称性(片側発症)
・精神発達遅滞
・てんかんの家族歴
複雑型熱性けいれんはてんかんに移行する。