膵真性嚢胞と膵仮性嚢胞の違い
膵嚢胞についてメモ的まとめ
膵嚢胞は真性嚢胞と仮性嚢胞に分けられる。
■仮性嚢胞とは…
嚢胞に上皮がない。
急性膵炎や外傷をきっかけに生じる(膵液が漏れることで炎症が生じるため)。
小さいと自然に吸収されるので保存的治療。しかし治らない時は感染症や嚢胞破裂などの合併症の可能性もある。
■真性嚢胞とは…
嚢胞に上皮があり、被膜が全体に肥厚している。
原因として良性腫瘍や悪性腫瘍が考えられる。
真性嚢胞は更にその性質から
漿液性嚢胞、粘液性嚢胞、膵管内乳頭粘液性腫瘍にわけられる。
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□漿液性嚢胞について
蜂の巣のようで多房性(類円系)。
膵体尾部に好発。
中高年女性に好発。膵管との交通はない。
無症状が多い。
ほとんどが良性腫瘍。
□粘液性嚢胞について
夏みかん様で単房性。
中高年女性に好発。(間質が卵巣のように肥大している。エストロゲンやプロゲステロン受容体を有している、故に女性好発)
増殖力が強く、かなり大きな嚢胞となる。腹部膨満感や腹痛を訴えることも。
膵管との交通はない。
悪性腫瘍に移行することもあるので原則手術を行う。
□膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)について
膵頭部に発生。
中高年男性に好発。
乳頭様(膵島鏡でみるとイクラ状、ERCPだとブドウの房状)
名前通り、膵管と連続している。膵管に粘液が貯留して膵管の拡張が見られる。
良性〜悪性腫瘍。