つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

頭血腫と帽状腱膜下血腫、産瘤の違い

頭血腫と帽状腱膜下血腫、産瘤はいずれも分娩時に外からの力が加わり新生児の頭部が損傷した状態である。

 

解剖について確認しておくと…脳の外には内側から順番に硬膜、骨膜、頭蓋骨、骨膜、帽状腱膜、結合組織、皮膚と並んでいる。

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イラスト引用:http://www.geocities.jp/sayamadetec/sinsuiri/9koutoubu.html

 

 

■頭血腫とは…

鉗子分娩などにより骨膜と頭蓋骨にズレが生じて、骨膜のすぐ下にある静脈が破綻することによる出血である。血腫の赤血球が破壊されるために中のビリルビンが血中に放出されて高ビリルビン血症、黄疸を示すことがある。

また、重要なポイントとしては、血腫は頭蓋縫合線を超えて広がらない

生後数週間から数ヶ月で消えるので経過観察で良い。

 

*縫合線とは頭蓋骨の骨と骨をつないでいる部分のことである。(下図参照)

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イラスト引用:http://www.jsprs.or.jp/general/disease/congenital_anomaly/congenital_anomaly_02.html

 

■帽状腱膜下出血とは

吸引分娩などによって帽状腱膜と骨膜がずれることによってその間の静脈が破綻してできる血腫である。帽状腱膜とは頭蓋骨骨膜の上にまるで帽子のように覆っている膜状の組織である。頭血腫とは異なり、血腫は骨縫合を超える。よって血腫は前額、眼瞼、次回周囲と頭全体に広がってその出血のために失血死することもある。必要に応じて輸血やDICの管理などが必要となる。

 

■産瘤とは…

産瘤も分娩時の外力によって頭部が圧迫されることによって皮下に生じる浮腫やうっ血である。出生直後より著明であり、骨縫合を超えることもあるが生後1日以内に吸収されるので経過観察で良い。また、頭血腫が硬いのに対して産瘤は浮腫なのでぶよぶよとして柔らかい。