腸重積におけるターゲットサインとは何か
■腸重積について復習
腸重積とは口側の腸管が肛門側の腸管に入り込んで嵌頓する病態であり、内腔を閉塞して腸管の血行障害を引き起こしてしまう。生後4,5ヶ月〜1歳ほどの小児に好発する。
症状としては腹痛・嘔吐・血便が代表的。
腹痛は非常に強く、激しく啼泣するが、間欠期には痛みが収まる。
嘔吐は進行すると胆汁性(ファーター乳頭より肛門側で嵌頓が起こることによる)
血便はイチゴゼリー状の粘血便と称され診断的価値が高い。
(尚、初期にはイチゴゼリー状の血便を呈さず、浣腸して初めて認められることも多い。)
部位としては回盲部に多い。回盲部ではリンパ系組織が発達しているので、風邪を引いたあとに炎症が起こり、固有筋層が障害され腸重積を引き起こしやすいからである。
■ターゲットサインとは何か
超音波エコーにより真ん中はhighとなり、外周はlowとなるtarget signが特徴的である。
出典:順天堂大学HP
これはまさに肛門側腸管が口側腸管に嵌り込んで、腸が二重に重なっている様子を捉えている。
超音波でターゲットサインが確認されれば、続いて直腸造影を行う。腸重積であればカニバサミサインが認められる。治療としては、発症後間もなければ高圧浣腸。1日以上経過していればHutchinson手技を行う。時間が立っていると組織が壊死している可能性が高いので、高圧浣腸を行うと穿孔のリスクがあり禁忌。