ウェルニッケ脳症と脚気の違い
ウェルニッケ脳症と脚気の違い
ウェルニッケ脳症とはビタミンB1欠乏により急性〜亜急性に発症する神経障害である。ビタミンB1欠乏の原因としてアルコール中毒、妊娠悪阻、消化管手術後、ビタミンB1を含まない輸液などが知られている。
ウェルニッケの三徴として意識障害、眼球運動障害、運動失調が有名。
(ちなみに後遺症としてコルサコフ症候群をきたすことがある。コルサコフの3徴として、見当識障害、記銘力低下、作話が代表的症状。国家試験的にはウェルニッケとコルサコフがごっちゃになりがちなので要注意。)
一方、脚気とはビタミンB1不足による心不全と末梢神経障害である。
心不全で循環が悪くなり足がむくむ、末梢神経障害により足がしびれる。
こうした理由から脚気と呼ばれるに至った。
(余談ではあるが脚気患者の多かった1960年代までは末梢神経障害の有無を調べる膝蓋腱反射は健康診断の必須項目であったらしい。)
まとめると
ビタミンB1欠乏により
神経系に障害をきたしたものがWernicke脳症
末梢神経や筋肉に障害をきたしたものが脚気
ということである。