先端巨大症で高リン血症になる機序
先端巨大症で高リン血症になる機序
先端巨大症とは成長ホルモンが過剰に分泌されて骨・軟部組織の異常な発育と代謝異常をきたす疾患である。成長ホルモンは軟部組織だけでなく臓器も肥大させてしまい、たとえば心臓が肥大して心機能が落ちたり、甲状腺が増大して甲状腺腫、あるいは腎臓が肥大して糸球体濾過量の増大などが見られる。
成長ホルモンは尿細管における電解質の再吸収を促進するのでNa,P,Clなどが体内で増える。その結果として高リン血症となってしまうのである。ナトリウムの血中濃度は特に変化しないが、これは尿細管における吸収と水が再吸収される割合のバランスの問題と考えられる。ナトリウムの移動により水も移動し循環血漿量増大となり高血圧をきたすこともある。