つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

甲状腺ホルモンT3、T4、rT3の違い

甲状腺ホルモンT3、T4、rT3の違い

 

□甲状腺ホルモンの合成と分泌

甲状腺の瀘胞上皮細胞に甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素イオンが取り込まれる。そこで別に作られていたTg(サイログロブリン)と甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)の作用により縮合反応が起こり甲状腺ホルモンがつくられ、瀘胞上皮細胞の内腔内に貯蔵される。尚、抗甲状腺薬はこのTPOをターゲットにして阻害しているものもある。
それからサイログロブリンと結合した甲状腺ホルモンは加水分解されT3、T4、rT3の形で血流に乗って末梢に流れる。

 

□タンパク結合型と遊離型の甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンはT4の99,98% T3の99.8%はTBG(サイロキシ結合グロブリン)やアルブミンなどの血症タンパクと結合して、細胞内に入ることができず、生理活性を持っていない。タンパクと結合していない遊離型の甲状腺ホルモンであるFT4、FT3(Fはfreeのf)のみが細胞内にはいることができ、生理活性を示す。以前はTBGにも結合した総T3や総T4しか測定できなかったが、現在では生理活性を示しているFT3やFT4を直接測定することができる。

 

□T3,T4、T3rの違い

甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの98%はT4の形で分泌される(1,5%がT3、0.5%がrT3(リバースT3)の形で分泌される)。
T4は活性が弱いのでとりあえずT4の形で分泌して、必要に応じてT3へ変換して甲状腺ホルモンとして働いてもらっているのである(T3はT4の10倍の生理作用を有すると言われている)。
また、T4は脱ヨード化される部位の違いによってrT3タイプのホルモンになる。rT3は活性を持たない休眠状態の甲状腺ホルモンである。よってT4が末梢でT3かrT3のどちらに変化するかによって甲状腺ホルモンの作用が変化するといえる。

 

たとえば神経性食思不振症や飢餓、新生児などはT3よりもrT3が多く作られる。これは体が弱っているのでアクセル全開にして代謝を亢進させまくっても仕方がないからrT3というブレーキを踏んでいる状態と例えることもできる。