つねぴーblog@内科専門医

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ピロリ菌除菌が逆流性食道炎の増悪因子となる理由

ピロリ菌除菌が逆流性食道炎の増悪因子となる理由

 

胃食道逆流症(GERD)とは酸性の胃内容物が食道方向に逆流することにより食道を傷つけてしまう疾患。ただし食道の下には下部食道括約筋があるので胃の内容物は通常逆流しないようになっている。

逆流性食道炎のリスク因子はいくつかあるが、ピロリ菌の除菌もそのうちの一つである。ピロリ菌除菌は胃潰瘍の治療として有用であるが逆流性食道炎においては逆効果なのである。なぜであろうか。

ピロリ菌に感染すると胃の粘膜は傷害をうけ、萎縮性胃炎と呼ばれる状態となる。すると胃酸の分泌能力は低下する。よって逆流性食道炎の患者が偶然ピロリ菌を有していた場合、ピロリ菌を除菌すれば胃潰瘍のリスクは減らすことができるが胃酸の分泌量は増えることになるので逆流性食道炎はますます悪くなってしまうのである。