つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

単純性イレウスに下剤禁忌の理由

単純性イレウスに下剤禁忌の理由

 

単純性(閉塞性)イレウスとは機械的イレウスの一つであり、血行障害を伴わない(血行障害を伴うイレウスを複雑性イレウスという)。原因としては手術後の癒着性のものが多い。一般的に治療といえば絶飲食、抗菌薬、輸液、さらにはイレウス管によって腸管内の減圧を図る。


単純性イレウスでは脱水が起こっているので多めの輸液が必要。また電解質バランスも乱れているので電解質の補充も適宜おこなう。

下剤が禁忌なのは下剤により腸管の蠕動運動が亢進して腸管内圧が高まり穿孔してしまう危険性があるからと考えられる。また、腸管内液の分泌も亢進させるため、腸管内浸透圧や水分量が変動して状態を悪化させてしまう可能性があるから不用意に用いない。(医師国家試験的には禁忌であるが臨床現場ではしばしば用いられるらしい…)

 

*イレウスで脱水が起こる理由:腸管が途中で閉塞しているので水分が吸収部位まで届かない。また、イレウスによる痛みにより患者は苦しんで飲水できないから。