アルカローシスでテタニーが起こる理由
アルカローシスでテタニーが起こる理由
アルカローシスになっても血液検査上のカルシウムイオンの値は低下しないが、実際に機能してくれるカルシウムイオンの値が低下するのでテタニーを生じうる。
前提的な話として、血液中のカルシウムイオンは「アルブミンと結合している状態」と「アルブミンと結合せずに遊離している状態」の2種類のパターンで存在している。筋肉の収縮など生理的活性に寄与するのは遊離カルシウムイオンである。
アルカローシスの状態では血液中の水素イオンが少ないのでアルブミン蛋白は水素イオンを放出する(アルブミンは陰イオンのタンパク質であり、カルシウムだけでなく水素イオンとも結合している)。すると、アルブミンは電気的中性を保つために水素イオン以外の陽イオンであるカルシウムイオンと結合しやすくなり、血液中の遊離カルシウムイオンが減少してしまうのである。
例えば、過換気症候群でテタニーが起こるのもCO2が低下することによるアルカローシスが原因である。