メッケル憩室で大量下血が起こる理由
メッケル憩室で大量下血が起こる理由
メッケル憩室とは回盲部より数十センチ口側にできる先天性の真性憩室であり、約20%の頻度で胃粘膜の迷入を認めることがある。その場合は憩室の内腔は異所性の胃粘膜で覆われるということになる。
異所性の胃粘膜もふつうの胃と同じように胃酸を分泌する。胃であれば胃酸に対する防御因子があり組織を守ることができるが、メッケル憩室にはそのような機構はない。故に容易に消化性潰瘍となり出血してしまうのである。
検査としては胃粘膜に集積する性質のある99mTcO4シンチグラフィを行う。しかし、胃粘膜の迷入を認めないメッケル憩室では検査することができない(その場合無症状であることも多いが)。