サルコイドーシスで高カルシウム血症になる機序
サルコイドーシスで高カルシウム血症になる機序
サルコイドーシスとは肺、眼、皮膚などにT細胞や単球などが集積して非乾酪性肉芽種を形成する原因不明の疾患である。サルコイドーシスの患者では約10%に血中カルシウムの上昇が認められている。
高カルシウム血症の合併は疫学的には白人に多く、また男性に多い。原因としては肉芽種が活性化ビタミンDを過剰産生することによる。活性化ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進する働きがあるので血中Ca濃度が上昇してしまうのである。また、サプリメントでカルシウムをとったり、紫外線によく当たる人はビタミンDが活性化されてしまうので高カルシウム血症を悪化させてしまう。もしサルコイドーシスの患者で尿路結石のエピソードがある場合は尿中Ca濃度を測定することが望ましい。