妊娠高血圧症候群の下腿浮腫に利尿薬禁忌の理由
妊娠高血圧症候群の下腿浮腫に利尿薬禁忌の理由
何らかの原因によって妊婦が高血圧になることを妊娠高血圧症候群(PIH)という。頭痛、蛋白尿、体重増加、下腿浮腫などが代表的な所見である。PIHの浮腫は血管透過性の亢進によって生じると考えられているので利尿薬の適応はない。むしろ、PIHでは血液濃縮状態となっているので利尿薬の使用は循環血液量を減少させて病態を悪化させる危険性があるので禁忌である。また、同様の理由により水分制限や食塩制限もするべきではない。
*血管透過性が起こる理由は複雑であるが母体因子と胎盤因子が影響しあい、血管内皮細胞に影響を与えるからと考えられている。