つねぴーblog@内科専門医

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甲状腺機能低下症で補充療法を急速にしてはならない理由

甲状腺機能低下症で補充療法を急速にしてはならない理由

 

甲状腺機能低下症とは甲状腺ホルモンの作用不足により全身に様々な症状が出る。各種臓器の代謝障害によって血中コレステロールが上昇し、年齢不相応に動脈硬化が進行することが多い。甲状腺機能低下の治療として甲状腺ホルモンの補充があるが、甲状腺ホルモンは心臓にも作用して負荷をかけてしまうため、虚血性心疾患や心房細動を予防するために少量より投薬を開始するのが鉄則である(事前に虚血性心疾患の有無を検査しておくことも重要)。補充療法はT3よりも半減期の長いT4が主に用いられ、1年ほどかけて正常化を目指す。