赤血球浸透圧抵抗減弱とは何か
赤血球浸透圧抵抗減弱とは何か
赤血球浸透圧抵抗減弱とは遺伝性球状赤血球症(HS)にみられる特徴的な検査所見である。なぜHSでは赤血球浸透圧抵抗が減弱するのだろうか。
遺伝性球状赤血球症とは、赤血球の膜の細胞骨格を形成する分子の異常により、正常な円盤状の赤血球をつくれずに球状の赤血球になってしまう疾患である。
浸透圧抵抗試験とは赤血球を低張な食塩水に浮かべて行う。赤血球よりも外部の食塩水の方が濃度が薄いので浸透圧的には外部から赤血球の内部に水が入ってくる。健常な赤血球であればある程度水が入っても耐えることができるが、遺伝性球状赤血球の患者の赤血球は球状になっていて水が入り込む余地がほとんどない。よって少し水が入っただけで破けて溶血してしまい、「浸透圧抵抗性が減弱している」と表現される。