つねぴーblog@内科専門医

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溶血性尿毒症症候群で抗菌薬禁忌の理由

溶血性尿毒症症候群で抗菌薬禁忌の理由

 

溶血性尿毒症症候群(HUS)とはTTPのように血小板血栓が多発し、血小板減少と臓器症状をきたす疾患である。原因はOー157の産生するvero毒素による血管内皮障害である。血小板減少、溶血性貧血、急性腎不全は重要な所見で3徴といわれている。

 

TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)と共通点が多く、鑑別に難渋することも多い。両方まとめて血栓性微小血管障害(TMA)ともいう。

 

腸管出血性大腸菌の血便期に抗菌薬を投与してHUSの発症を予防しようとする試みもかつてされていたが、むしろHUSの発症率を高めてしまう結果となった。直感的には矛盾しているが、菌を殺してしまうことで、菌の内部にたまっている毒素が一気に放出されてしまうためと説明されている。