つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

ソーセージ様怒張の原因と機序

ソーセージ様怒張はなぜ起こるか


ソーセージ様静脈怒張(ソーセージ様眼底)とは原発性マクログロブリン血症でみられる眼底所見である。

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なすびの医学STUDYより引用

http://www.geocities.jp/study_nasubi/g/g16.html

 

原発性マクログロブリン血症とはB細胞腫瘍細胞であるリンパ形質細胞性リンパ腫が単クローン性にIgMを量産することで過粘稠度症候群を引き起こす疾患である。多発性骨髄種でも過粘稠度症候群は起こるが、マクログロブリン血症ではその度合いが強い。IgMは5量体を形成して他の免疫グロブリンより分子量が大きいので(故にマクログロブリン血症という名称)、粘稠度合いが強まる。どろどろになった血液は循環するのが大変になるのでさらさらと血液が流れてくれない。故に、眼底検査を行うと循環不全を反映して、静脈がソーセージのように太くなり蛇行しているのである(心臓に血液が戻りにくい)。眼底出血や乳頭浮腫によって視力障害を引き起こすこともある。