つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

PAS染色とPAM染色、HE染色の使い分け

PAS染色とPAM染色、HE染色の違い

 

(腎組織の見方について)

 

■各染色法について

PAS染色:PASとはperiodic acid-Schiff(=過ヨウ素酸シッフ)の略。細胞や組織の糖鎖を染色し、好中球、基底膜、グリコーゲン、好酸球などが赤色に染まる。

 

PAM染色:periodic acid meth-enamine silver(過ヨウ素酸メテナミン銀)の略。糸球体・ボーマン嚢・尿細管の基底膜、メサンギウム基質が黒色に染まる。

 

HE染色:hematoxylin-eosin(ヘマトキシリン・エオジン)染色の略。

組織標本に最も使われる手法。腎組織全体、すなわち上皮細胞、基底膜、毛細血管内皮細胞全てが染まる。

 

■使い分け

・炎症細胞を見たいならHE染色(核の形態がよくわかる。逆に言えばそのぐらいしかわからない。

 

・細胞質を染めずに基底膜、メサンギウム基質、細胞の核だけを染めたいのならPAS染色(とりわけメサンギウム領域がよく見える

 

・PAS染色のコントラストを更にはっきりさせたいのならPAM染色(基底膜が真っ黒になるのが特徴的)