気管支拡張症の病態生理
気管支拡張症とは…
何らかの原因によって亜区域気管支より末梢の気道が感染や炎症を繰り返し、不可逆的な拡張をきたした病態。
■先天性の主な原因としては
カルタゲナー症候群、嚢胞性線維症、びまん性汎細気管支炎など
■後天性の主な原因としては
感染症、膠原病、気管支内の腫瘍や異物など
病態
1:細菌などの病原体の気道感染によりサイトカインの放出や好中球の集合が起こる。
2:サイトカインや好中球エラスターゼの作用で気管支壁が障害され、脆弱化した気管支が拡張する
3:慢性化すると気管支周囲の間質が線維化し、気管支が牽引されて物理的に拡張する。繊毛の脱落などにより、気管支内では気道分泌物の排出が低下し、気道感染が生じやすくなる。
1〜3が悪循環となっている。
症状
慢性の咳嗽、大量の喀痰、喀血
聴診で水泡音
X線でトラムライン
Qなぜ気管支拡張症で喀血するのか
気管支の炎症で放出されるサイトカインが気管支動脈の増生・蛇行を引き起こす。造成した血管は脆弱なため、破綻して出血しやすい。