つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

部分発作と全般発作の違い

てんかん部分発作と全般発作の違い

 

てんかんとは大脳皮質の神経細胞が過剰に興奮することによって起こる発作性の症状のことを言う。正常な神経細胞では、他の神経細胞からの興奮性シグナルと抑制性シグナルとのバランスに応じて興奮するが、てんかんではこのバランスが崩れ、興奮が過剰となってしまうのである。

 

てんかんは大きく分けて部分発作全般発作に分類される。

 

【部分発作について】

部分発作とは大脳半球の片側の限局した部位から神経興奮が始まる発作であり、発作時に意識障害がない単純部分発作と、意識障害のある複雑部分発作に分けられる。

 

・単純部分発作

大脳半球の局所的な過剰興奮により、焦点部位に応じて様々な症状が現れるが、意識は保たれる。症状としては手足のけいれんなどの運動発作、体のピリピリ感などの感覚発作、眼がぴかぴかする感視覚発作、腹痛・悪心・発汗などの自律神経発作、不安感などの精神発作などがある。

脳波は間欠期にspike(病巣部位)

 

・複雑部分発作

大脳の局所的な過剰興奮であるが発作中の意識は消失しているもの。くちをもぐもぐさせる、舌なめずりをする、ボタンや衣類をいじる、徘徊するといった自動症が見られる。

脳波はspike&wave complex(蕀徐波複合)

 

【全般発作について】

 全般発作は両側大脳が同時に興奮を始める発作である。

その発作の性質に応じて欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作、強直間代発作に分類される。

 

・欠失発作

両側大脳半球が同時に過剰放電して始まる。突然10秒ほど意識が消失し活動を中断するが、すぐに元の状態に戻り、活動を再開する。過呼吸で誘発されやすく、女児に多い。成長とともに軽快する。

脳波は3Hz 棘除波複合(spike&wave complex)

 

・ミオクロニー発作

体の一部に突然の瞬間的な筋収縮が起こる。光刺激で誘発されることが多い。新生児〜小児期に好発。光刺激や睡眠不足、テレビゲームなどに誘発される。

多棘波複合(polyspike& wave complex)

 

・脱力発作(失立発作)

突然、全身または一部の筋が脱力し、姿勢が保持できなくなる。膝が折れたり首ががくっと前に垂れる。

脳波:1.5-2Hz slow spike& wave complex

 

・強直間代発作

強直発作を起こしてから間代発作となり、その後睡眠する。覚醒後は発作時の記憶なし。強直発作とは筋が硬直してかたくなり、全身が弓なりの姿勢となる。間代発作とは、筋肉の収縮と弛緩を繰り返し、四肢がガタガタと震え、意識が消失する。