ノルアドレナリンとアドレナリンの違い
ノルアドレナリンとアドレナリンの違い
↓こちらに加筆修正しました。
----------------------過去記事の残骸-----------------------
・α受容体とβ受容体、合計5つの受容体が存在する
ノルアドレナリン、アドレナリンともにカテコール核をもつ生体アミンでカテコラミンと呼ばれている。カテコラミンは受容体に直接作用する薬であり、臓器によって興奮や抑制など様々な作用を示し、結合する受容体によってα作用、β作用と呼ぶ。アドレナリン受容体はその存在部位や機能などからα1、α2、β1、β2、β3に分類される。ややこしいですが。。
ノルアドレナリンはα1、α2受容体に同程度に作用し、β1受容体にも作用するが、β2受容体への作用は非常に弱い。アドレナリンはα、β作用ともに、ノルアドレナリンと同等かあるいはより強く、α1、α2およびβ1、β2受容体への作用比はほぼ等しい。
・ノルアドレナリンとアドレナリンの作用機序の違い
ノルアドレナリン…
α1作用による血管収縮作用が強く血圧が上昇。
これにより、圧受容器からの減圧反射が起こり迷走神経を介して新機能抑制が起こり心拍数低下。
アドレナリン…
β作用がノルアドレナリンより強いことが特徴。α1作用による血管収縮作用とβ2作用による血管拡張による末梢血管抵抗の低下が同時に起こるため血圧は変化が小さくやや上昇。強いβ作用により心機能が亢進し心拍数上昇。
・臓器別の薬理作用(心臓、血管)
@心臓
β受容体があり、心機能が亢進する。β1が優位であるが、β1およびβ2受容体を介して洞結節の調律を増加させ、洞房結節の伝導速度を早め心拍数が増加する
心筋収縮力を増加させ、拍出量が増大する。高濃度のカテコラミンはβ3受容体を介して心収縮を抑制する。
@血管
α1受容体…ノルアドレナリン、アドレナリンがα1に対して最も強い血管収縮薬として働く。血管が収縮して血圧が増大し、反射性徐脈が起こる。
β2受容体…血管の平滑筋を弛緩させ、拡張期の血圧が下降する。アドレナリンでは収縮期圧はやや上昇するが、平均血圧には変化がないのはこのためである。