つねぴーblog@内科専門医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

移転しました。

JCSとGCSの違い、覚え方

JCSとGCSの違いについて

 

JCSとは…

意識障害のレベルを痛み刺激や呼びかけに対する反応の有無などによって評価する分類方法。3−3−9度方式とも呼ぶ。

 

Ⅰ.覚醒している(1桁の点数で表現)

0 意識清明

1 見当識は保たれているが意識清明ではない

2 見当識障害がある(ここがどこか、周りの人が誰かわからない)

3 自分の名前・生年月日が言えない

☆JCSの2と3は紛らわしいが、自分が病院にいることや医療者に囲まれているなど変わりゆく状況が理解できなければ2。自分の名前など普遍的な事がわからなくなってしまったら3と考える。

 

Ⅱ.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)

10 普通の呼びかけで開眼する

20 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する

30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する

 

Ⅲ.刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)

100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする

200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする

300 痛み刺激に対し全く反応しない

 少し詳しく説明すると

まず、負傷者に近づいた時に目を開けていたらⅠ(=覚醒している)

 

続いて本人と話をして、

はっきりしない→1

周りのことがわからない(見当識障害)→2

自分のことすらわからない(名前、生年月日など)→3

 

ハマジと覚える。

ハ:はっきりしない

マ:周りのことがわからない

ジ:自分のことすらわからない。 

尚、ハマジは日本人なのでJCSと覚える。GCSではない。(JCSとはJapan Coma Scaleの略である)「ハマジ」さえ覚えられればJCSは数字が大きくなればなるほど危険な状態と覚えられるはず。

 

最初に目を開けていなくて刺激すると覚醒する場合はⅡとなる。

呼びかけで反応する=10

大きな声で反応する=20

刺激すると反応する=30(3という数字を殴ってる拳と見立てましょう…汗)

 

そして刺激しても覚醒しない場合はⅢ桁という扱いになる。

100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする

200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする

300 痛み刺激に対し全く反応しない 

 

JCSは桁が大きければ大きいほど危険な状態!

(逆に言うとJCSは数字が小さいほうが良い=優秀→サッカーで言うとJ1の方がJ2よりも良いbyサッカーファン)

 

 

 

GCSとは…

開眼、言語、運動の3つの状態をそれぞれ点数化して意識レベルを分類したもの。正常では15点、深昏睡では3点となる。

 

E:開眼 
4点 自発的に  (もしくは普通の声掛け)(自然と開眼=4ぜんと開眼
3点 音声により (強めの声掛け)(さんざん声かけて開眼=3ざん声かけて開眼
2点 疼痛により (痛み刺激)(つねって開眼。つねる=twoねる=2
1点 開眼せず  (何しても反応なし)

☆Eの3点と4点は紛らわしいが、「声掛けで開眼した」人を全部3点にしてはならない(そうすると寝ている人全員がE3点となってしまう)。自発的に15〜20秒ほど開眼してる人はE4点にする。


V:発語 
5点 見当識良好 (普通に会話できる)(ごくふつうに会話=5く普通にかいわ
4点 会話混乱  (会話ができるが見当識障害がある)
3点 言語混乱  (発語はあっても会話ができない)
2点 理解不明の声(なにかうなっている、聞きとれない)
1点 発語せず  (何しても反応なし)

M:運動機能 
6点 命令に従う   (指示通りに体を動かす)(握力→握ロクと覚える。)
5点 疼痛部認識可能 (痛みを感じたら払おうとする)   
4点 四肢屈曲反応逃避(末梢部の痛みに対し逃避反射が出る)
3点 四肢屈曲反応  (痛み刺激で除皮質姿勢)(3は足を曲げているイメージ)
2点 四肢伸展反応  (痛み刺激で除脳姿勢)(2を漢字で二と書いて足を伸ばしてるイメージ)
1点 まったく動かず (何しても反応なし)

 

合計して最重症は3点、最軽症は15点。こればかりは何度も見て覚えていくしか無いかと。

 

■GCSとJCSの使い分け

 

JCSは評価基準が単純でわかりやすいために日本で広く普及している。だからJ。しかしながらJCSには覚醒状態であってもその質が評価できないという欠点を抱えており、それを解決するために導入されているのがGCSである。GCSでは「開眼、言語、運動反応」という独立した3つの観点から様態を評価できる。しかしJCSと違い評価方法が非常にややこしいという欠点もある。