テオフィリンの作用機序と使い方
✅テオフィリン、アミノフィリン作用機序
キサンチンのメチル誘導体であるカフェイン、テオフィリン、テオブロミンは大脳皮質及び延髄の興奮により、中枢機能および循環機能の亢進を起こす。
キサンチン類は非選択的ホスホジエステラーゼ阻害薬であり、カフェインは中枢興奮薬、テオフィリンは気管支拡張薬、強心利尿薬、血管拡張薬として用いられている。
心筋や平滑筋細胞内にcAMPが増大し、βアドレナリン受容体刺激様の心筋興奮(β1作用)や平滑筋弛緩(β2作用)が現れる。心機能亢進、末梢血管拡張や気管支筋弛緩作用が見られる。
✅テオフィリンはいつ使うか
前述の通り、気管支平滑筋の弛緩をもたらしてくれるため、喘息やCOPDなどの閉塞性肺疾患に効果的である。吸入ステロイドが登場する前はコントローラーの主役だった。
・喘息治療薬としては吸入手技不良の患者でモンテルカストが使えないような場合の追加薬で考慮される。
・COPD治療としてはロイコトリエン拮抗薬よりも効果がある。
吸入ステロイド+少量テオフィリンの併用による抗炎症効果でステロイド使用量の低下を期待できる。
✅血中濃度に注意
テオフィリン投与中は血中濃度を必ず確認する。5-10μg/ml程度でコントロール。
一般的に血中濃度20μg/mlを超えると発現するが、人によっては15μg/mlを超えると軽度の中毒症状(食欲不振・悪心・頭痛など)が出現しうる。
吸入ステロイドと併用するときは1日200mg程度投与して5-10μg/mlで調節。
また、相互作用の多い薬であるので他の薬剤を要チェック。
*また喫煙者は注意。喫煙により肝薬物代謝酵素が誘導され,テオフィリンクリアランスが上昇し,テオフィリン血中濃度が低下する。また,禁煙により血中濃度が上昇する。
✅処方例
テオフィリンは400mg1日1回眠前。他にも朝200mg、眠前200mgで投与されることもある。