SLRテストとその方法
SLRとは日本語で言うならば下肢伸展挙上テストのこと。
膝関節伸展位のまま10~15cm程度挙上し、5~6秒間その位置を保持した後で下ろすという動作を繰り返す。この動作で坐骨神経根(L4〜S3)の圧迫があれば、坐骨神経痛が出現する。特にL4/L5やL5/S1のヘルニアを示唆する検査。
坐骨神経の伸展試験、つまり坐骨神経を引っ張る試験なので膝が曲がっていると神経は緩んでしまうので試験にならない。これを避けるために必ず膝を伸ばした状態に保ちながら行う。この状態で下肢を挙上すると、何も異常がなければ90度くらいまで挙がる。しかし椎間板ヘルニアがあって、坐骨神経が圧迫されている場合、途中で痛みがひどくなってしまう。
ポイント
・患肢を進展したまま挙上していく
・30度〜70度の範囲で坐骨神経に沿った痛みが出れば陽性
(それ以外の角度での疼痛は非特異的で陰性と取る)
・腰痛のみであれば陰性
・感度91%,特異度26%であり除外診断に有用
椎間板ヘルニアの発症には環境要因、遺伝要因、そして加齢が関係していると言われている。椎間板には座る、たったまま前かがみになるといった動作で体重の2〜3倍の圧力がかかると言われ、その積み重ねで椎間板を変形させてしまうのである。