つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

リンパ組織についてわかりやすく

リンパ組織って何でしょう。これは非常に重要でありながらややわかりずらい迷惑な組織です。

一問一答形式でリンパについて解説していきたいと思います。出来るだけわかりやすく!


【こんてんつ】

Qリンパ組織とは
Q一次リンパ組織と二次リンパ組織の違いは何ですか?
Qリンパ組織、リンパ器官の違いは何ですか?
Qリンパ節とは?

Qリンパ組織とは

生体防御の主役をなすリンパ球や様々な種類の白血球が集まって出来た組織をリンパ組織と言う。また、それらリンパ球が網の目状に絡んで存在している結合組織も含む。


Q一次リンパ組織と二次リンパ組織の違いは何ですか?

リンパ組織はそこに含まれるリンパ球の発達・成熟段階によって一次リンパ組織、二次リンパ組織と分けられる。胸腺および骨髄は第1リンパ組織で、リンパ球の産生と初期の選択に係わる。第2リンパ組織はリンパ球と反応する外来性分子または不活性な分子の変化したもの(抗原)に環境を提供する。例としてはリンパ節、扁桃腺のリンパ濾胞、粘膜内リンパ組織(MALT)に関連したパイエル板などがある。

注:一次リンパ器官、二次リンパ器官という言い回しも存在するが、一次、二次リンパ組織というほうが一般的。


Qリンパ組織、リンパ器官の違いは何ですか?


言葉の定義を正確に知るのは勉強上重要なことです。ということでまずは一般的な組織、器官、器官系の違いを・・

組織とは:一定の構造と機能を持った一種または数種の細胞の集まりを組織という。動物では上皮・結合・筋肉・神経・軟骨・骨・体液(血液とリンパ液)組織などが区別される。何種類かの組織が集まって器官を構成する。

器官とは:肺や胃などのように、あるきまった形と働きを持った部分を良い、一般にいくつかの組織から構成される。

器官系とは:一連の器官が共同してある決まった作用をする場合、これらの諸器官をあわせて器官系という。例えば口、胃、腸などは消化作用を営む消化器系であり、このほかに骨格系、神経系、呼吸器系・・などがある。

(by百科事典マイペディア)

つまり簡単にまとめると
細胞が集まって組織になり、組織がいくつか集まって器官になり、器官が複数連動して働くと器官系になる。という認識で良いかと。


ではこれをリンパ系に当てはめてみると、


リンパ組織とは胸腺、脾臓、リンパ節、パイエル板、扁桃、虫垂、赤色骨髄などのことである。
リンパ器官は上の組織の総称ということ。



Qリンパ節とは?


上述の通り、リンパ節とはリンパ組織の一つである。全身から組織液を回収して静脈に戻すリンパ管系の途中に位置し組織内に進入、あるいは生じた非自己異物が血管系に入り込んで全身に循環してしまう前にチェックし免疫応答を発動して食い止める関所のような機能を持つ。
つまり、血管とリンパ管の間に位置するリンパ球の詰め所。
リンパ節にはリンパ洞とリンパ小節があります。


リンパ小節とは・・・、Bリンパ球と濾胞樹状細胞から成る、細胞が結節性に集合した領域。つまり兵舎みたいなもん。武装した連中が待機してます。

リンパ洞とは・・・リンパ節の被膜や小柱と実質リンパ組織との間に存在するリンパ流路となる間隙。リンパ洞内に異物が侵入すると、リンパ節実質から多数のマクロファージが流入し、異物を貪食する。つまり交番(リンパ小節)の前にある空き地がリンパ洞。空き地にチンピラ(外来異物)がやってくると交番から警官(マクロファージ)がでてきてぼこしてくれる。