つねぴーblog@内科専門医

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子宮頸がんワクチンは受けるべき?

子宮頸がんワクチン接種率6割超え 受診率ばらつきも

子宮頸(けい)がんワクチンの接種率が7割近くだったことがわかった。産婦人科医らでつくる「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」が19日、発表した。受診率は自治体によって数%から100%までばらつきがあった。自治体の住民への働きかけの差によるものとみられる。

 2010〜11年度のワクチン接種率を全国約1700市区町村に聞き、約8割から回答を得た。全体では中学1年生から高校2年生の各学年で65%を超えた。自治体ごとでは接種率100%が14自治体、10%未満が10自治体だった。

 費用は国や市区町村が全額または一部助成している。接種率が8割以上の自治体のほとんどが無料だった。個人負担を求めていたのは157自治体で、ほとんどが2千円未満だったが、5千円以上が25自治体あった。自治医大さいたま医療センターの今野良教授は「接種率が高い自治体は未接種者に電話するなどしていた」と話す。

(by朝日新聞)

子宮頸がんというのはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染によって引き起こされるウイルスである。普通の癌というのは加齢と共に発症していくものであるが、子宮頸がんは性交渉によるHPV感染が原因であるので10代前半にワクチン接種をしておけば70%以上の予防が出来ると考えられている。
近年子宮頸がん患者は急増しており、日本においては年間発症者1万5千人で3500人ほどが毎年なくなっている。20〜30代の若い女性のがんではもっとも多い。


子宮頸がんの症状

ちなみに子宮頸がんはほとんど無症状で気づいたら進行しているというケースが多い。進行時の症状としては
・性交時出血
・おりものの異常(茶褐色、黒褐色のおりものが増える、など)
・不正出血(月経時以外の出血)
・下腹部や腰の痛み
などがある。

子宮頸がんワクチンの有効期間

ワクチンというのは感染してから打っても意味が無く、あくまで予防という観点で用いられる。
ワクチンが有効な期間というのは臨床試験データとしては少なくとも8,4年は効果があるとされる(まだそれしか臨床試験をしてからたっていない)。一方、これらのデータから統計モデルを使って推計した研究では、少なくとも20年以上にわたり効果が期待されると推測されている。

子宮頸がんは危険?

とあるサイトより子宮頸がんワクチンへの反論が掲載されていた。

1子宮頸がんの原因とされる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は、ごくありふれたウイルスである。
2ワクチンは、すべてのHPV感染を予防するものではない。効果は限定的である。
3HPVに既に感染していたら、ワクチン接種は、がん発症の危険性を増す可能性がある。
4発がん性のHPVに感染しても90%は、自然に消えてしまう。
5子宮頸がんの原因が、HPVでない可能性もある。−2003年のFDAの書類より
6子宮頸がんキャンペーン自体が、世界的な「医療詐欺」である可能性がある。
7ワクチン中の成分「アジュバンド」が、不妊を引き起こす。

自分の思うこと。
1:確かにHPVウイルスはありふれている。性交渉をする女性ほぼ全てが持っている。

2:子宮頸がんワクチンで予防できるのはHPVの16型/18型だけである。そして子宮頸がん患者から検出されるウイルスの内16/18型は6〜7割である。だから全てのHPVによる発がんを防ぐことはできない。だが逆にワクチンを打てば将来子宮頸がんになるはずの女性の6〜7割を助けることが出来る。

3:HPVに感染してから打っても意味が無く、発症の可能性を高めるのではなくこの場合はワクチンの有無にかかわらず発症してしまうのでは?

4:確かに感染者の90%は自然免疫でウイルスを撃退できる。それでも年間15000人が発症し3500人が死亡しているのである・・・。

5:勿論HPV以外が原因で子宮頸がんになることは考えられる。しかしながら6〜7割はウイルスが原因とされる。

6:これについてはよくわからない・・。これから詳しく調べて後日また記事を書きたい。

7:アジュバンドというのは免疫系を活性化させる物質のことで、これはウイルスに対する免疫力を上げてくれるのである。調べるとネット上には精子や卵子に対する抗体を作ってしまって危険とあるが、そんなことはないと思う・・。ネット上のデマ?