つねぴーblog@内科専門医

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何故虫歯になりやすい人、なりにくい人がいるのだろうか

「歯を全く磨かなくても虫歯にならない」という人を見た事があるかもしれない。一体何故そのような事があり得るのか調べてみた。

虫歯のなりやすさは虫歯菌(ストレプトコッカス・ミュータンス菌)の定着率、唾液の量や質などの要因によって個人差がある。
中でも最も重要なのは虫歯菌の存在である。

虫歯菌は餌である糖分が周りにあると増殖する事が出来るため、歯磨きをしっかりして糖分を落とす必要があるのは言うまでもない事である。しかしながら、口の中に虫歯菌がいなければ糖分があっても虫歯にならないのである。これが、虫歯にならない人の一番の要因である。

虫歯菌というのは実は唾液感染等によって人から人へと移る訳であるが、元々子供は生まれたときには虫歯菌は存在しない。周囲の人、主に母親等の唾液を通じて感染してしまうのである。であるから、小さいときは特に感染させないように注意すべきである。3歳までに虫歯菌に感染しなければ、一生を通じて虫歯になりにくくなると言われている。

因みに、ミュータンス菌が齲蝕を引き起こすメカニズムは次のようなものである。
1,スクロースを器質としてグルコシルトランスフェラーゼという酵素がグルカンを産生する。このグルカンという物質によって菌は接着力を手に入れて歯にくっつき、プラーク(歯垢)を形成する。

2,スクロースやマルトース等の糖を代謝し、乳酸を産生する(こういう生物を嫌気性生物という)。この乳酸によって口腔内が産生に傾き、およそpH4程度までになりエナメル質を溶かしてしまう(脱灰)。特に、プラーク内は唾液によるpHの干渉作用が弱いためにう蝕になりやすい。