つねぴーblog@内科専門医

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何故のどが乾燥すると風邪を引きやすくなるのか。

何故のどが乾燥すると風邪を引きやすくなるのか。
よくのどを乾燥させるのはよくない。保湿しようなどと言われるが、どうしてであろうか。

まず、風邪ウィルスの侵入経路であるが、風邪ウィルスは鼻や口からは進入しにくく、
免疫グロブリンA(IgA)という分泌性の免疫物質があるので異物は死滅する。

のどが低温になり、乾燥していると、ウィルスが付着し、増殖してしまう。
ウィルスの感染経路の一つである気道上皮細胞において、風邪のウィルスを排除する働きが弱ってしまうのである。

のどには繊毛という小さい毛のようなものがたくさん生えているのだが、これはある種の防御機構であるといえる。
のどが湿っている場合、繊毛上に粘液が流れていて、侵入してきたウィルスがそこにひっかかり流れていき、タンとして体外に
排出される。しかし、のどが乾燥していると、繊毛の粘液もすくなくウィルスがそのまま喉の細胞に侵入して
炎症を起こしてしまうのである。であるから、乾燥しやすい冬場の保湿などは風邪ウィルスから身を守るためには
非常に重要なのである。こまめに水を飲むのはもちろんのこと、鼻呼吸ではなく口呼吸をしてしまう癖のある方は特に要注意。