つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

脳神経

チャドック反射の意義(+動画)

チャドック反射陽性とその意味 チャドック反射とは病的反射の一種であり、錐体路障害(上位運動ニューロンの障害)に対する検査である。最も有名な病的反射としてバビンスキー反射がある。*1チャドック反射はバビンスキー反射の亜種とも言え、反射を誘発する…

麦角系と非麦角系ドパミンアゴニストの違い

麦角系(ばっかくけいと読む)と非麦角系の違い パーキンソン病の治療薬としてLドパやドパミンアゴニストがある。ドパミンアゴニストは直接ドーパミン受容体に結合してドーパミン用の作用を示す薬物であり、Lドパよりも作用時間が長いという特徴がある。患者…

パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別

パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別 パーキンソン病とは安静時振戦、固縮、姿勢反射障害、無動などの特有の症状を呈する神経疾患である。病理学的には中脳黒質のドーパミン神経細胞の脱落とレビー小体の出現が認められる。 パーキンソン症候群の定義…

Queckenstedt試験とその機序

Queckenstedt試験とは何か 頭蓋内の静脈とクモ膜下腔、それに脊柱管内のクモ膜下腔が正常に交通しているかを調べる試験。 画像参照*1 ルンバール(腰椎穿刺)を行う際に側頸部を両側から圧迫する。くも膜下腔が自由に交通していれば圧迫によって髄液圧は10…

偏頭痛を疑ったらする”POUND”

偏頭痛診断のために用いられる問診POUND POUND P:pulsating(拍動性の痛みかどうか) O:hour duration 4-72h(頭痛の持続時間) U:Unilateral(一側性の痛み) N:nausea(吐き気を伴うかどうか) D:disabling(何も出来ない状態=日常生活に支障がある) 4-5…

進行性核上性麻痺でハチドリサインとなる話

進行性核上性麻痺(PSP)とは 中年期以降に発症し、淡蒼球、視床下核、小脳歯状核、赤核、黒質、脳幹 被蓋の神経細胞が脱落し、異常リン酸化タウ蛋白が神経細胞内およびグリア細胞内に蓄積する疾患である。 神経学的には易転倒性、核上性注視麻痺、パーキン…

ウェスト症候群の治療でビタミンB6やACTHが用いられる理由

west症候群でvitB6やACTHを用いるのは何故か 【ウェスト症候群とは】 乳児期に様々な脳の障害を背景として発症する難治性てんかんであり、精神運動発達の退行を伴う。シリーズ形成性のてんかん性スパズム、脳波上のヒプスアリスミア、精神運動発達の停止・退…

季節性うつ病が高緯度地域に多い理由

季節性うつ病とは… 通常のうつ病や双極性障害と異なり、毎年決まった季節になると発症し、また決まった季節に寛解するうつ病のことである。季節によって発症が決まっていることから”季節性うつ病”と呼ばれている。 この疾患が通常のうつ病と異なる点は高緯度…

悪性症候群と悪性高熱症の違い

悪性症候群と悪性高熱症は名称が似ていることから混合されてしまいやすいが、異なる概念であるので整理しておきます。 ■悪性症候群とは パーキンソン病患者において治療薬であるL-Dopaを急に中断したり、あるいは抗精神病薬によってドーパミンが突然少なくな…

失行と失認の違い

失行と失認の違い ■失行とは 失行とは文字通り「行為を失う」という意。失うわけであるので”以前は出来た行為”でなければならない。そして更に、麻痺などの運動障害がなく、どのような行為かを理解し、またそれを実行する意志があるにも関わらず出来ないよう…

穿頭術と開頭術の違い

穿頭術と開頭術の違い(似てるけどちょっと違う言葉の整理) 穿頭術とは 頭の骨に小さな穴を開けて硬膜、血腫外膜を切開して中の流動性の血腫内容物を除去する治療法。慢性硬膜下血腫や脳室内出血など頭蓋内に溜まった血液を体外に出す場合に適応となる。局…

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い

単神経炎、多発単神経炎、多発神経炎の違い ・単神経障害(単ニューロパチー) 単神経障害は末梢神経の一本が障害され、支配領域のみの障害が現れる。 主な原因としては圧迫であり、手根管症候群や撓骨神経麻痺、正中神経麻痺などが代表的。他にもBell麻痺や…

けいれんとてんかんの違い

けいれんとてんかんの違い けいれんとてんかんは同じような意味として捉えられがちではあるが医学的な定義は異なる。 【定義】 ・痙攣とは「発作的に起こる不随意な骨格筋の収縮」 ・てんかんとは「大脳皮質の神経細胞が過剰に興奮することで起こる発作」 て…

ブルジンスキー徴候とは何か

ブルジンスキー(Brudzinski徴候)とは 感染や出血などによって髄膜が刺激される時の症状を髄膜刺激症状というが、ブルジンスキー徴候とはその検査法の1つである。ブルジンスキー徴候には2つの方法がある。 1.仰臥位で首を曲げると膝や股関節が曲がる 2.…

単純型熱性痙攣と複雑型熱性痙攣の違い

単純型熱性痙攣と複雑型熱性痙攣の違い 【熱性けいれんの概要】 熱性けいれんとは38度以上の発熱に伴う全身けいれんのうち、器質的原因が特に無いものを言う(中枢神経系の感染症や他の頭蓋内の異常を除外してから診断)。 乳幼児の8%が罹患し、乳幼児の…

細菌性髄膜炎の原因菌の覚え方・ゴロ合わせ

細菌性髄膜炎(急性化膿性髄膜炎)とは 細菌によって引き起こされる髄膜炎であり、急激に発症し、適切に治療しなければ死に至ることもある。 症状としては発熱、嘔吐、意識障害などを呈し、髄液検査では好中球上昇、タンパク上昇、糖低下などの所見となる。 …

ウェルニッケ脳症と脚気の違い

ウェルニッケ脳症と脚気の違い ウェルニッケ脳症とはビタミンB1欠乏により急性〜亜急性に発症する神経障害である。ビタミンB1欠乏の原因としてアルコール中毒、妊娠悪阻、消化管手術後、ビタミンB1を含まない輸液などが知られている。 ウェルニッケの三徴…

ALSと脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症の違い

ALSと脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症の違い ALS(筋萎縮性側索硬化症)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがともに変性する疾患である。上位運動ニューロンの障害により、腱反射亢進、バビンスキー反射などがみられ、下位運動ニューロンの障害によ…

視床症候群とは何か(メモ

視床症候群とは何か 視床の役割とは簡単に言えば ・感覚情報の中継・運動機能調節の補助 の2点である。 視床症候群とは後大脳動脈から分岐した視床膝状体動脈が閉塞し、片側の視床が傷害されると、それと反対側半身の全感覚障害、強いしびれ、痛みなどを生…

脳幹反射とその覚え方・ゴロ

脳幹反射とその覚え方・ゴロ ・脳死の判定基準について脳死判定は6歳以上であれば6時間以上あけて2回、6歳未満であれば24時間以上あけて2回行う必要がある。判定基準は以下の5つ。 1、深昏睡(JCS300,GCS3)2、瞳孔散大・固定(左右とも4mm以上)…

植物状態と脳死の違い

植物状態と脳死の違い 植物状態の定義 ・自力移動が不可能・自力摂食が不可能・便失禁、尿失禁状態・声を出しても意味のある発語は不可能・「目を開けて」「手を握って」という簡単な命令は聞くことはあるがそれ以上の意志疎通は不可能・眼球はかろうじて物…

flow voidの意味と原因

flow voidの意味と原因 flow voidとはMRIでの無信号領域のことである。MRIでは静止した組織の水素原子の動きを見ているわけであるが、血流が早い組織では水素原子の動きをとらえることができずに無信号となってしまうのである。 flow voidの原因としては脳動…

lucid intervalとは

lucid intervalとそのメカニズム 頭部外傷の直後に脳震盪により一過性の意識障害を起こすが、その後しばらくの間は意識が明瞭になる時期があり(lucid interval)、その後再び意識レベルが低下する。一度意識が回復したのになぜ再度意識レベルが低下してしまう…

パンダの目(black eyes)は何故起こるか

black eyes(raccoon eyes)ができる機序 前頭蓋底骨折をすると、眼球周囲の皮膚が赤紫色に変色することが知られている。骨折による皮下出血によるもので、溶血した血液が眼球周囲の脂肪に浸潤するために変色が起こる。この所見は英語でraccoon eyesとも呼ば…

交通性水頭症と非交通性水頭症の違い

交通性水頭症と非交通性水頭症の違い 水頭症とは、髄液が頭蓋内腔に過剰に貯留した状態の疾患。 髄液の流れ:脳室の脈絡叢から分泌→側脳室→モンロー孔→第三脳室→中脳水道→第四脳室→ルシュカ孔→マジャンティー孔→くも膜下腔という順になっている。くも膜下腔…

Bell麻痺の治療にビタミンB製剤を用いるのは何故か

Bell麻痺の治療にビタミンB製剤を用いるのは何故か ベル麻痺とは単純ヘルペスウィルス1型の再活性化が原因となり生じる神経炎。末梢性顔面神経麻痺が生じるので片側顔面の閉眼ができない、額のしわ寄せができない、味覚の低下、涙腺・唾液腺の分泌低下など…

パーキンソン病の診断にMIBG心筋シンチが有効な理由

パーキンソン病の診断にMIBG心筋シンチが有効な理由 パーキンソン病とは黒質の細胞が変性し、ドーパミンの産生が低下することによりスムーズに体を動かせなくなる病気である。また、パーキンソン病では錐体外路症状の他に、自律神経障害や精神症状も出現する…

Triple H療法とは何か

Triple H療法とは何か くも膜下出血の術後管理としてtriple H療法が知られている。くも膜下出血とは脳表面の血管が破綻することによってくも膜下腔へ出血を生じたものであるが、3大合併症である再出血、脳血管攣縮、正常圧水頭症を予防することが重要である…

盗血現象とは何か

盗血現象の機序 血管抵抗の大きい血管に比べて血管抵抗の小さい血管に血液が流れる現象のこと。脳動静脈奇形ではナイダス(nidus)と呼ばれる拡張した異常血管の塊ができるので、通常の毛細血管よりも血管抵抗が小さく、血液がほとんどナイダスに流れてしまう…

瞳孔強直とその原因

瞳孔強直とその原因 瞳孔強直とは、瞳孔が入射光に対して縮瞳しない現象のこと。絶対性瞳孔強直、相対性瞳孔強直に分けられる。対光反射と輻輳反射の両方が傷害されるものを絶対性、対光反射のみが障害されている場合を相対性という。 絶対性瞳孔強直の原因…