つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

消化器

「消化に良いものを食べてください」の具体例

腸炎患者などには消化に良いものを食べるように指導するが以下その一例 (ツイッターで落ちてた画像) ●原則 消化の良いものの原則としては胃の滞在時間が短い、刺激性がなく胃腸を荒らさない、食物繊維が少ないなど。 ●果物 果物は取りたくなるがみかんやキ…

急性膵炎の検査におけるアミラーゼとリパーゼの違い

急性膵炎の検査におけるアミラーゼとリパーゼの違い アミラーゼは膵臓や唾液腺で分泌される消化酵素であり、膵臓以外の唾液腺の異常でも数値は上がる。リパーゼは脂肪を分解するための消化酵素であり膵臓の異常でより特異的に上昇する(ともに腎臓で排泄され…

大酒家と常用飲酒家の違い

大酒家と常用飲酒家の違い 大酒家とは日本酒を一日5合以上飲む人のこと。一般的に大酒家レベルの飲酒を10年以上続けると20%の人が肝硬変になると言われている。尚、恐ろしいことに大酒家は日本に200万人以上いるとされており、突然死のリスクがある。…

PIDと虫垂炎を鑑別する3つのポイント

PIDとは若い女性に好発する上部生殖管の感染症。子宮内膜や卵管、付属器は本来無菌状態であるが、下部生殖器の膣、外陰部、子宮頸部に感染した微生物が上行性に上部生殖器に波及するとPIDとなる。(PIDとはpelvic inflammatory diseaseの略= 骨盤内炎症性疾…

高アンモニア血症はどの程度から肝性脳症を引き起こすか

高アンモニア血症はどの程度から肝性脳症を引き起こすか 肝性脳症の原因物質としてアンモニアは有名であるが、必ずしもアンモニアが原因にならないということも同じぐらい有名である。とある論文によると高アンモニア血症は肝性昏睡に対して感度37.5%、特異…

羽ばたき振戦の意義(+動画)

羽ばたき振戦とは患者の両上肢をまっすぐと伸ばしてもらい、手関節を背屈させた状態で保持するように指示すると筋緊張の消失と手関節の緊張による背屈位が交互に繰り返され、両手をパタパタと羽ばたかせるようにみえる徴候。固定姿勢を保持できないことから…

急性胃炎への対応

急性胃炎(急性胃粘膜病変)への対応 ◯急性胃炎とは 急性びらん性胃炎、出血性胃炎、急性胃潰瘍を総称した概念。 ◯症状 突然の心窩部痛、嘔気、吐血、下血など。 その他食欲低下や腹部膨満などもある。 ◯原因 ストレス:精神的なストレスに加え、身体的なス…

PPIを食前に服用する理由

PPI(proton pump inhibitor)は胃壁細胞のプロトンポンプに結合することで胃酸分泌を抑制する薬である。逆流性食道炎などの治療で用いられる。 PPIの例としてオメプラール、タケプロン、パリエット、ネキシウムなど。 PPIがプロトンポンプに結合するために…

胆石発作として帰して良いのか

胆石に対するアプローチ 胆石は症状がなくても人間ドッグなどで偶発的に発見されることも多い。症状がなければ基本的に無治療で経過観察としても良い。が、年間3%前後の確率で症状を発症する可能性があり、また胆嚢がん患者では高率で胆石を認めるので無症…

急性胆嚢炎の診断基準と入院適応

急性胆嚢炎の診断基準 急性胆嚢炎・胆管炎診療ガイドラインによると… 【急性胆嚢炎の診断基準】 ・マーフィーサインなどの腹部所見 ・発熱、CRP上昇、白血球上昇などの炎症反応 ・腹部CTや腹部エコーなどの画像検査 この3つを満たしているものを急性胆嚢炎…

Howship-Romberg徴候とは何か

Howship-Romberg徴候とは何か 閉鎖孔ヘルニアで見られる特徴的な所見。 ヘルニア内容が閉鎖神経を圧迫することにより大腿内側から膝、下腿にかけて痛みやしびれが生じる。股関節の伸展、外転、内旋で痛みが増強する。大腿屈曲で軽減。 閉鎖孔ヘルニアはヘル…

腸炎の下痢患者に甘いもの禁忌な理由

腸炎の下痢で甘いものはダメで脂肪はそこまでダメじゃないという話 急性腸炎の下痢は主に3つのタイプがある(おさらい) 1,分泌性下痢: 小腸において水や電解質の分泌が亢進し吸収が追いついていない状態。例えばコレラでは腸管粘膜のGタンパク質を介し…

便培養をいつ取るか

便培養の適応 便培養とは便に含まれる微生物を培養し、分離同定することであり感染性腸炎の原因菌の診断に必要になる。感染性腸炎には主にウィルス性の腸炎と細菌性腸炎とがあるが、ウィルス性腸炎の場合、細菌ではないので培養は出来ない。よって、便培養は…

サルモネラの分類(腸チフスと食中毒)

サルモネラは人間の消化管内に常在する腸球菌であるが、一部のサブタイプは感染することで病原性を示す。 サルモネラは色んな分類の仕方があるが、臨床的には ①腸チフスやパラチフスという重篤な疾患を引き起こすタイプ ②食中毒性腸炎の原因となるタイプ に…

感染性腸炎っぽい他の怖い疾患

感染性腸炎の診断は他の疾患が除外されて、更に下痢、腹痛、嘔気の3徴を認めた時になされると教科書的には説明されている。現実的には感染性腸炎以外の疾患を全て除外し切るのは不可能に近いが、どんな疾患が腸炎類似の症状を呈しうるのか知っておくのは大…

旅行者下痢症の定義とその原因

旅行者下痢症とは旅行中に感染した下痢症の総称。症状は旅行後に出現する場合も少なくない。 「感染症の謎999」では症状として腹部症状に加えて一日に3回以上の排便を旅行者下痢症と定義されている。 「内科診療リファレンス」では「熱帯地域到着後一週…

感染性腸炎で抗菌薬治療を考える時

感染性下痢症に抗菌薬は必要なのか。 感染性腸炎の原因は大きく分けてウィルス性と細菌性とがある。 抗菌薬は細菌を殺す薬なので当然であるがウィルス性腸炎には効かない。 逆に細菌性の腸炎であれば全例抗菌薬を使っていいのかというとそういうわけでもない…

大腸型下痢症と小腸型下痢症の違い

急性下痢症の大腸型と小腸型の違い ◯大腸型の腸炎は炎症性の腸炎とも呼ばれ、腸管粘膜の障害によって起こる。 →血が出ることが多い。 ◯小腸型の腸炎は非炎症性であり、毒素による腸管分泌が促進することによって起こる→血は出ずに水溶性の下痢であることが多…

ロキムコとは何か(→NSAIDS潰瘍の予防)

ロキムコとは何か ロキムコとはロキソニン+ムコスタを合わせた俗語。 NSAIDS鎮痛薬であるロキソニンは胃粘膜障害をしてしまうので、それを保護する意味合いで胃薬であるムコスタ(レバミピド)が一緒に処方されることが多い。ムコスタは胃粘膜でのプロスタ…

ICUでのストレス潰瘍の予防とその適応

ストレス潰瘍とは身体的および精神的にに何らかのストレスがかかることにより上部消化管に潰瘍が生じることを言う(文字通り)。ICUに入室するような患者では高度に身体的な侵襲を受けており、さらにそれに対する治療によっても医原性な侵襲が加わっている。…

わさびでアニサキスの活動が抑制されるという話

【twitterの投稿ほぼ流用】 イカやサバの生食で感染する寄生虫アニサキスはわさびや醤油に10分間浸すことで組織侵入能力が喪失するというエビデンスはあるが、わさびや醤油に10分浸されたイカやサバの生食が美味であるというエビデンスは存在しない。 【…

アニサキスへのアプローチ@救急外来

アニサキスは寄生虫の一種であり、イカ、サバの生食を経口摂取することが発症すると言われているが、地域によって原因となる魚種に違いが有り、西日本や関東周辺ではサバ、イワシ、アジなど、北海道ではタラ、ホッケ、サケなどがアニサキスの原因として挙げ…

腸閉塞を示唆する病歴と身体所見

腸閉塞を示唆する病歴と身体所見 陽性尤度比の高い順に… 肉眼的腸蠕動(21) 便秘の病歴(8.76) 腹部膨満(6.07) 腹部全体の圧痛(5.13) 嘔吐後に症状軽快(4.3) 腸蠕動音亢進(3.47) 腹部全体の腹痛(3.32) 腸蠕動音低下(3.18) 間欠痛(2.9) 食事で腹痛増…

小腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール)

腸閉塞のレントゲン所見(3✕3ルール) 腸閉塞において腹部レントゲン撮影は簡易に取れて感度も高いので有用。 3✕3のルールというものがある。 ・小腸径が3cm以上であれば拡張(厳密には2.5cmでも拡張としてよい) ・小腸ニボーが3ヶ所以上あれば異常(…

大腸憩室炎のCT所見

憩室とは 大腸憩室は大腸の一部が袋状になって外に飛び出しているものをいう。40歳以上で徐々に増加することが知られ、45歳以上の3人に1人、80歳以上の3人に2人が憩室を持つとも言われている。日本人では欧米に比べると頻度はまだ少ないが食生活の…

虫垂炎=右下腹部痛という訳でもない

虫垂炎の典型例では心窩部から右下腹部に痛みが移動する。 が、虫垂炎の位置、大きさは患者により様々であり更に後腹膜などに固定されている臓器でもないので痛みは必ずしも右下腹部にあるわけではない。 とある論文(記事下参照)によると虫垂の解剖学的位…

腸閉塞とイレウスの違い

日本において腸閉塞とイレウスは同じように「腸が詰まった」というような意味で混同されがちであるが欧米では異なる言葉として使われている。日本の医学用語としては麻痺性イレウス、単純性イレウス、絞扼性イレウスなどがあるが、この中で厳密にイレウスな…

機能性便秘の診断基準(ローマⅢ)

便秘を主訴に来院する患者にすぐに下剤を投与してはならず、問診により便秘の原因を探る。便秘は器質性便秘、薬剤性便秘、機能性便秘などに分類される。 ◯器質的便秘:悪性腫瘍(大腸がん)、術後狭窄、炎症性狭窄、ヘルニアなど ◯薬剤性便秘:オピオイド、N…

筋性防御と筋硬直、板状硬の違い

■筋性防御と筋硬直、板状硬の違い 筋性防御とは腹部の触診の際に患者が自分で痛みを自覚しているために自分の意思で腹筋に力を入れて痛みを和らげようとする徴候のこと。 筋硬直とは腹壁の腹膜に激しい炎症が及ぶと、同部位の筋肉が患者の意思とは関係なく反…

虫垂炎の症状の出現する順番

虫垂炎では症状の発症する順番はある程度決まっている 半日〜2日ぐらいの経過で次のように症状が出現する。 1,心窩部痛 2,嘔気、嘔吐、食欲不振 3,右下腹部の圧痛 4,発熱 5,白血球増加 ・認められない症状があることはあっても順番が逆になること…