2014-04-24から1日間の記事一覧
FE(Na)とはfractional exretion of sodiumの意味で糸球体で濾過されたNa量の何%が尿中に排泄されたかを表す値である。尿細管でのNa再吸収率の指標となり、健常者では99%が再吸収されているため、FENaは1%である。腎前性では腎血流量の低下を反映してNa再吸…
体液の各分画の組成は異なるが、全ての分画の浸透圧は本質的には等しいため、血漿浸透圧を測ることで、体液全体の浸透圧を評価することができる。 血漿浸透圧は血症(細胞外液)に多く存在する浸透圧物質であるNa+(とそれに対応する陰イオン)、グルコース、…
グルコン酸カルシウムは細胞膜の安定性を増し、不整脈を予防する。重度の高カリウム血症の緊急時に用いる。血清カリウム値を下げるわけではなく、効果の持続時間は短いので他の治療法を併用することが必要。 高K血症では細胞が興奮しやすいが、カルシウム値…
尿細管マーカーβ2MG、α1MG、NAGの話 β2ミクログロブリン(β2MG) α1ミクログロブリン(α1MG) NアセチルβDグルコサミニダーゼ(NAG) この3つは近位尿細管の障害により尿中排泄量が増加するので近位尿細管が傷害されたという意味合いの早期マーカーとして…
対向流増幅系のメカニズム ややこしい名前をしているが簡潔に言うなら濃縮尿を作り出す尿細管の仕組み。 原尿の通る順に何が起きるのか見ていくと… @ヘンレの細い下行脚 水透過性が高く、またヘンレの太い上行脚で再吸収されたナトリウムにより周囲の間質は…
バーター症候群の病態生理 ヘンレループ太い上行脚におけるNa+K+2Cl-共輸送体の機能障害を生じる先天性疾患(常染色体劣性遺伝)であり、二次性のRAA亢進と低カリウム血症、代謝性アルカローシスをきたす。 Na+K+2CL-共輸送体はループ利尿薬の作用部位でも…
塩化アンモニウム(NH4CL)負荷試験とは 遠位尿細管性アシドーシス(1型RTA)と近位尿細管性アシドーシス(2型アシドーシス)の鑑別のための試験。両方とも低カリウム血症を伴うアシドーシスを生じるため、検査所見から病型の分類と確定診断を行う必要がある…
近位尿細管性アシドーシス(Ⅱ型RTA)の病態生理 近位尿細管でのHCO3-の吸収障害が病気の本態である。正確にいうとHCO3-の再吸収に関わる輸送体や酵素の1つでも障害されると発症する。 Q、低K血症を呈するのは何故か? A、 Na/HCO3-の共輸送体が障害される…
遠位尿細管性アシドーシス(Ⅰ型RTA)の病態生理 Ⅰ型RTAは遠位尿細管でのH+排泄障害によって起きる代謝性アシドーシスである。HCO3-/Cl-交換輸送体の機能も低下するため、HCO3-の低下とCL-の上昇を認め、アニオンギャップは正常となる。 遠位尿細管でH+排泄…