つねぴーblog@内科専攻医

アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。名前は紆余曲折を経てつねぴーblogに戻りました

人工呼吸モードの選び方

人工呼吸換気モードの選び方

 

大きく分けて次の3つのモードがある。

・アシストコントロール(A/C):強制換気

・SIMV(synchronized intermittent mandatory ventilaion:同期式間欠的強制換気)(PSVとA/Cをあわせたもの):強制換気

・PSV(プレッシャーサポートベンチレーション):自発呼吸

 

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PSVは自発呼吸モード。自発呼吸をサポートするだけであって強制的に換気させない。

A/CとSIMVは強制換気モード。患者が呼吸してなくても強制的に機械の力で呼吸させる。

 

◯PSVについて

意識があり自発呼吸がしっかりしている時に用いるモード。自発呼吸に対して一部サポートする。患者が吸いたい時、または吐きたい時に補助する。よって一回換気量、呼吸回数、吸気時間などは患者が決定することになる。メリットとしては患者にとっては最も適応しやすい快適なモード。デメリットとしては、いつの間にか患者の様態が悪化して自発呼吸が止まっていた場合は無呼吸になってしまう。

 

A/CSIMVの違い

A/CSIMVどちらのモードも自発呼吸をトリガーに設定回数の強制換気をする。自発呼吸が無い・もしくは自発呼吸が設定回数以下の場合は設定回数の強制換気になる。

では何が違うか、設定した呼吸回数以上の呼吸が行われた時に差が出る。

 

・A/Cモード:設定した呼吸回数以上の呼吸を患者がした場合、A/Cモードであれば全ての自発呼吸に強制換気する。10回と設定していても患者が30回呼吸した場合はそれだけ強制換気してしまう。一回500mvなど

・SIMVモード:設定回数の強制換気。設定回数以上の呼吸は無視する。10回に設定して30回患者が呼吸したら強制換気するのは10回だけ、後の20回は患者が勝手に小さく呼吸しているだけ。SIMVでは間引き運転しているような感じ。

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↑アシストモードの呼吸のうち最初の2回は自発呼吸にトリガーされて強制換気が起こっている。3回めの呼吸は自発呼吸無しで設定した呼吸回数に従って強制換気されている。

SIMVは真ん中の2回の呼吸は自発呼吸が弱く起こっているが、設定回数以上の呼吸回数になりそうなので機械はサポートせずスルーしている。

 

◯A/CとSIMVどちらが良いのか

SIMVの方が換気量が安定する。患者が過呼吸になってしまっても必要以上に全て強制換気しないからである。一方A/Cはもし頻呼吸であれば全てに反応して強制換気するのでPaCO2が必要以上に低下してしまう可能性はある。

が、患者目線でいうとSIMVは微妙。SIMVは何回に1回は強制換気、何回に1回は自分のみの呼吸となるので不快。いつ強制換気になるか患者からはわからないので適応しにくい。一方で、A/Cでは毎回サポートされた強制換気なので心構えができて楽。が、どちらが優れているなどのエビデンスはない。

 

◯CPAPとは何か(=continuous positive airway pressure持続的気道陽圧法)

・CPAPは自発呼吸の患者に使うPEEPのみのモード。人工呼吸は換気を促進せずに絶えず圧力をかけ続けるモード。自発呼吸できない患者には禁忌。無呼吸患者に使っても換気はしてくれないので呼吸停止となってしまう。

CPAPは絶えずPEEPをあかけるので虚脱した肺胞を広げる働きがある。うっ血性心不全や睡眠時無呼吸症候群などで良い適応。

 

★CPAPとPEEPとPSなど言葉の整理

・PEEPとは呼気終末陽圧のことで、自発呼気に圧をかけることによって虚脱しやすい気道と肺胞を常に陽圧に保つ。

・CPAPは持続的気道陽圧法で自発呼吸にPEEPを付加したモード。CPAPでは多くの場合、PSを追加して患者の自発呼吸をサポートする。

・PSはプレッシャサポート。吸気時に圧をかける。

・EPAP(expiratory positive airway pressure(呼気相陽圧)はNPPVにおけるPEEPのこと。

・IPAP(inspiratory positive airway pressure(吸気相陽圧)はNPPVにおけるPEEP+PSのこと

 

 

また追記します。