とある内科レジデントの雑記帳

元「とある研修医の雑記帳→つねぴーblog」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

デルマトームの使い方

デルマトームの使い方とその覚え方

 

◯「しびれ」を主訴の患者が来たら

しびれの原因が神経に由来するものだとすると、次のように分類することが出来る。

1,脳梗塞などの中枢神経の障害

2,脊髄炎や頚椎症などの脊髄の障害

3,手根管症候群や糖尿病性ニューロパチーなど末梢神経の障害

しびれなどの感覚障害のときは常に、中枢か脊髄か末梢神経のどこが障害されているのか考えることが重要である。脊髄は脳と末梢神経の中間にあって両者を双方向性に結びつけていて、よく似た症状が脳でも末梢神経障害でも生じうるのでそれぞれの支配領域についてよく理解していないと局在診断を行うことが出来ない。

 

◯デルマトームとは

デルマトームとは端的に言えば、「脊髄のどの高さで障害されると、皮膚のどこの領域で感覚障害が出現するかを教えてくれる地図」である。教科書的に表現すれば、脊髄の各髄節は特定の皮膚領域の感覚を支配しているため、脊髄神経による皮膚の分節的支配様式(デルマトーム)とも表現できる。よって、脊髄(の後角)障害や神経根の障害が起きた場合、デルマトームに一致した部位で障害が起こる。例えば「手のしびれ」を訴える患者においては身体のどこがしびれるのかをよく問診することで局在診断の手がかりとなる。デルマトームに沿っていれば脊髄の障害が示唆されるし、デルマトームに関係がなければ脳梗塞などの中枢性の感覚障害や、あるいは薬剤性や腫瘍性などの末梢神経障害や心因性などその他の鑑別も上げる必要がある。尚、実際の感覚髄節支配の皮膚領域はデルマトームよりも広く、隣接する髄節感にオーバーラップが見られる。

デルマトーム使用の例)椎間板ヘルニアの場合頚椎のC5/6椎間板ヘルニアであれば、そこからC6の神経根が出ているので、上図のように前腕の橈側から第1,2指にかけて感覚障害が認められることになる。

 

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(図は日本緩和医療学会ガイドラインより)

 

 

 

◯デルマトームと末梢神経の分布は似ている

しびれの部位がデルマトームに沿っていれば脊髄障害が示唆されると前述したが、困ったことにデルマトームの分布は末梢神経の支配領域と似ている。

(↓図:右半身は末梢神経の支配領域、左半身はデルマトーム(脊髄神経の支配分節)

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参照元:脊髄神経デルマトーム(皮膚分節)ー感覚検査法

 

脊髄神経支配領域と末梢神経支配領域は体幹などでは大きく異なるが、手に関しては似ている。例えばC6神経根の障害であれば手の第1指〜第2指までの障害、正中神経障害であれば第1指〜第4指までの障害である。よってどこの指まで感覚障害が有るのか一本一本細かく聞くことが局在診断において重要である。

 

また追記します。