つねぴーblog@内科専門医

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大脳皮質基底核変性症の診断基準memo

大脳皮質基底核変性症の診断基準memo

難病情報センター、神経内科ハンドブック参考


1.主要項目

(1)中年期以降に発症し緩徐に進行し、罹病期間が1年以上である。

発症年齢は45−75歳。平均60歳で発症。

(2)錐体外路徴候(以下のうち2項目以上)
①非対称性の四肢の筋強剛ないし無動
②非対称性の四肢のジストニア
③非対称性の四肢のミオクローヌス

一側上肢のぎこちなさで発症することが多い。頻度として最も多いのは筋強剛。パーキンソン病と異なり6−8Hzで不規則で痙攣様である。ジストニアやミオクローヌスの発症頻度は半数以下。

(3)大脳皮質徴候(以下のうち2項目以上)
①口腔ないし四肢の失行
②皮質性感覚障害
③他人の手徴候(単に挙上したり、頭頂部をさまようような動きは、他人の手現象としては不十分である。反対側の上肢で始めた随意運動を邪魔しようとする拮抗失行が見られる)

障害部位によって観念運動性失行、観念性失行、構成失行、着衣失行などが見られる。

皮質性感覚障害の例としては二点識別覚、触覚、位置覚、運動覚、重量覚、立体覚、皮質性消去などがある。

錐体外路徴候も大脳皮質徴候も一側優位に出現。左右差が著明なのがポイント。

 

◯その他の症状

仮面様顔貌、小声、嚥下障害などパーキンソン症状も出現。

動作緩慢、固縮、姿勢反射障害、すり足歩行なども最初は軽いが徐々に進行する。

安静時振戦は稀でありパーキンソン病との鑑別の1つにはなる。

 

◯その他の検査

・採血:突起すべき異常所見を認めない

・画像:頭部MRIで非対称性に大脳皮質の萎縮を認める。最初は一次運動野、感覚野から始まることが多い。(場合によってはは前頭葉の言語領域あるいは側頭葉から始まる)。SPECTで脳血流を見ると、萎縮が明らかになる前から低下していることもある。

・L-dopa抵抗性:パーキンソンニズムに対してLdopa投与しても効果がほとんどないか、一過性である場合は本疾患を疑う。

 
(4)除外すべき疾患および検査所見(以下の疾患全て除外できる)
①パーキンソン病、レビー小体病
②進行性核上性麻痺
③多系統萎縮症(特に線条体黒質変性症)
④アルツハイマー病
⑤筋萎縮性側索硬化症
⑥意味型失語(他の認知機能や、語の流暢性のような言語機能が保たれているにもかかわらず、意味記憶としての、単語(特に名詞)、事物、顔の認知ができない。)あるいはロゴペニック型原発性進行性失語(短期記憶障害により復唱ができない。)
⑦局所性の器質的病変(局所症状を説明し得る限局性病変)