つねぴーblog@内科専門医

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拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別

拡散強調像高信号(ADC低信号)の鑑別

 

拡散強調で高信号(ADCで低信号)となるのは水分子の拡散制限がある状態。

脳梗塞超急性期などが代表的な例であるが、病態としては大きく分けて3通りある。

1,細胞性浮腫

2,粘稠度増加

3,細胞密度増加

 

1,細胞性浮腫(by水分布変化)

脳虚血によって細胞性浮腫(細胞がむくむ状態)になると水分子が身動きが取れなくなり拡散が制限される。

・脳梗塞超急性期

・神経細胞やグリア、髄鞘の急性障害

・ニューロンの興奮状態

 

2,炎症細胞や壊死物質の蓄積による粘稠度上昇

膿瘍などの粘稠性が高い病変では水分子が自由に動けなくなり拡散が制限される。

脳膿瘍、類表皮腫、脈絡叢嚢胞、脳出血、出血性梗塞など

 

3,細胞密度増加(細胞間隙狭小化による拡散低下)

悪性腫瘍のように細胞が増殖して密度が高くなると、水分も自由に動けなくなってしまい拡散強調で高信号となる。

悪性腫瘍(神経芽細胞腫、悪性リンパ腫、退形成神経膠腫、髄膜腫など)、良性腫瘍。

 

参考:

・ここまでわかる!頭部救急のCT・MRI

・MRIに絶対強くなる撮像法のキホン