レビー小体型認知症診断基準memo
レビー小体型認知症(DLB:demetia with lewy bodies) memo
・パーキンソン病と同じスペクトラム。パーキンソン病で見られるLevy小体が大脳皮質にも多数出現。PDと同じように黒質、青斑核、迷走神経背側核の神経細胞脱落が見られる。DLBと認知症を伴なうパーキンソン病(PDD)は病理学的には同じものであり異なる疾患として分けることは困難である。どちらもシヌクレイノパチーに分類される。
・必須の診断基準:進行する認知症
・中核的特徴(3つ中2つ満たせばほぼ確実。1つならprobable DLB)
a,変動を伴なう同様性の認知機能
b,具体的で詳細な内容の繰り返す幻視
c,パーキンソニズムの出現
・示唆的特徴(中核的症状1つに示唆的特徴1つあればほぼ確実)
a,レム睡眠時行動異常症(RBD)
b,顕著な抗精神病薬に対する感受性
c,SPECTやPETイメージングで大脳基底核におけるドパミントランスポーターの取り込み低下
・支持的特徴
a,繰り返す転倒・失神
b,一過性で原因不明の意識障害
c、高度の自律神経障害(起立性低血圧、尿失禁)
d,幻視以外の幻覚
e,体系化された妄想:「自分の家族は偽物だ」「ここは本当の家ではない」
f,うつ症状
g,CT/MRIで内側側頭葉が比較的保たれる
h,脳血流SPECT/PETで後頭葉が比較的保たれる(←
i,MIBGシンチグラフィで取り込み低下(←画像的にはこれが重要)
j,脳波で徐波化および側頭葉の一過性鋭波
【治療方針】
DLBの多彩な臨床症状に対する対照的治療が行われる。DLBはドパミン系、アセチルコリン系、セロトニン系などの特定の神経システムが障害されやすく、それらに基づく神経精神症候をきたすことから、それらの神経伝達機能を修飾するような薬物が用いられる。治療の標的となる臨床症状には認知機能障害、認知症の行動・心理症状(BPSD)、錐体外路症状、自律神経症状などが含まれる。患者ごとに治療の主要あ標的とすべき臨床症状を見定める必要がある。
・認知症状に対する治療:コリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル)
MMSEで評価するとアルツハイマーでは0.6±2.7だったのが、DLBでは4.8±1.5であり認知機能の改善効果は大きい。
・行動・心理症状(BPSD):幻覚、妄想、不眠、レム睡眠行動異常症などに対する治療
ドネペジル:グレードB、クエチアピン:グレードC、オランザピン:グレードC1、抑肝散グレードC1。
・パーキンソニズムに対する治療
パーキンソニズムに対してはレボドパ(ただし、レビー小体型認知症に対するレボドパの効果はパーキンソン病に比べると劣る。)
起立性低血圧に対してはドロキシドパ、ミドドリン、フルドロコルチゾン
便秘・消化管運動障害に対しては緩下剤、ドンペリドンなど
基本的にはパーキンソン病に準じた治療を行う。
また追記します。。