パーキンソン病の症状メモ書き
パーキンソン病の症状メモ書き
初発症状
・50%の患者は振戦が初発症状。上肢で始まることが多い
・右手で始まった場合は字が小さくなったかどうか聞くと良い
・70〜80%の患者はPD経過中に振戦があるが、ずっと見られない人もいる。
・初診時には便秘、嗅覚低下、入眠障害、中途覚醒、レム睡眠行動異常、夜間頻尿の有無などもないか聞いておく。
振戦:安静時振戦で毎秒5−6サイクルの比較的遅い振戦。両手の前方挙上など姿勢をとったり、随意運動を行うと振戦は減弱、消失する。
稀に、姿勢をとると瞬時振戦は消失するが、10秒ほどの潜時を経て振戦が再度出現して次第に強くなることが有るこれはreemergent tremorと呼ばれパーキンソン病特異的な所見。
固縮:PDでは抵抗がガクガクと断続的になるのが特徴(歯車様固縮)。歯車というのは振戦のリズムが出るからと考えられている。下肢では鉛管様の固縮となることもある。固縮のミカタは最初手首を伸展・屈曲して検者の受ける抵抗を視る。上肢の場合、被験者が中々リラックスしにくいことが有るので手首や足首が有用。
動作緩慢:
随意運動の開始に時間がかかる。無動にもなる。これで様々な症状が説明つく
瞬きが少なくなり、目の自然な動きも少なくなってじっと一箇所を見つめている時がある(外眼筋に現れる無動)
仮面様顔貌:表情が少なくなり能面のようになる。顔面筋に現れた無動
小声:構音筋に現れる無動
流涎:咀嚼・嚥下筋に現れる無動でよだれがこぼれ落ちる。唾液の量が増えるわけではない。健常人では無意識のうちに唾液を飲み込んでいるが、それができなくなるためによだれが増える。
歩行:
すり足になり、歩幅も小さくなる。これは歩行に現れた動作緩慢。
PD診断において重要なのはつぎあし歩行が出来るかどうか。パーキンソン病では合併症がない限り、Ⅲ度までの患者であれば、たいてい継ぎ脚歩行が可能である。継ぎ足歩行が出来ない時はⅣ度以上のパーキンソン病か、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、正常圧水頭症、脳血管性パーキンソニズム、慢性硬膜下血腫など二次性・症候性パーキンソニズムを疑う。
姿勢反射障害:
4大症状の1つ。わずかな外力が加わった場合、姿勢を立て直すことの障害。最初に現れるのは後方突進現象。患者の両肩に手をおいて、患者が一歩を後ろに踏み出す程度の力で引く。この時に2歩までは良いが、3歩またはそれ以上後ろに足を踏み出せば後方突進陽性となる。
前屈姿勢:
また、歩行に関連して姿勢が前かがみになる(前屈姿勢)。前屈姿勢は姿勢反射障害のため直立に立つと後ろに倒れそうになるので代償的に前屈になっているのではないかと考えられる。
すくみ足:すくみ足の約80%はwearing offのある患者のオフ時に出現する。オフ時に出現するすくみ足はwearing offの治療をすればよいが、関係なく出るすくみ足に関しては床に歩幅に併せて黒いテープを張り、それをまたぐようにして足を出す練習しかない。これはLドパへの反応が悪く、病変が黒漆以外の場所に伸展したために生じると考えられている。が、すくみ足の病巣は不明。
腰折れ・ピサ症候群・首下がり
原因は不明であるが、PDで時に見られる姿勢異常に腰折れ、ピサ症候群、首下がりがある。これらは体幹筋に現れたジストニアの一種であるという考えが有力。なぜなら仰臥位に寝るとこれらの症状は消失するからである。
これらの姿勢以上はドパミンアゴニストの使用が誘引になることが有り、ドパミンアゴニスト使用中に現れた場合は、一次減量・中止して改善するかどうかを見たほうが良い。姿勢異常に改善がなく、PDが悪化した場合は再開する。
腰折れ、ピサ症候群はPDに多いが、顎が胸につくような硬度の首下がりは多系統萎縮症に多く見られる。
◯PDその他の症状
非運動症状:便秘、嗅覚低下。これらは運動症状発症前からあることがほとんど。
・排便:2日に1回より少なくなったのはいつ頃か
・嗅覚:
・レム睡眠行動異常:夜中にうなされる、大声を挙げる、手足を動かす、ベッドから落ちる、配偶者に暴力を振るう
◯PDならないはずの症状
失行症状がない、眼球運動が正常、腱反射亢進がない、バビンスキー徴候が陰性、感覚低下がない
◯ホーエンヤール重症度分類
◯鑑別診断
薬物性パーキンソニズム、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、脳血管障害性パーキンソニズム、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など
追記します…