とある内科レジデントの雑記帳

元「とある研修医の雑記帳→つねぴーblog」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

COPDの重症度分類と治療法

 

◯COPD重症度分類byガイドライン

以下の通り、慢性症状の有無%FEV1(吸った空気を一秒間でどのぐらい吐き出せるのか健常人に比べて何%かという値で気道制限を表す)で重症度判定を行う(なお、重症度判定に用いられるFEV1は気管支拡張薬投与後の値)。FEV1%(FEV1/FVC)は中等度以上では適切に重症度を反映しないので重症度分類には用いない。

☆FEV1%と%FEV1の違い

FEV1%は一秒率のことで、努力肺活量のうちどれだけを1秒間で吐き出せたかの割合。

%FEV1は空気を一秒間でどのぐらい吐き出せるのか健常人に比べて何%かという値。

詳しくは→FEV1%と%FEV1の違い -つねぴーblog

 

0期:COPDリスク群

→スパイロメトリーは正常、慢性症状有り(咳嗽、喀痰)

Ⅰ期:軽度COPD

→FEV1%(FEV1/FVC)<70%、%FEV1≧80%、慢性症状の有無は問わない

Ⅱ期:中等度COPD

→FEV1%(FEV1/FVC)<70%、50%≦%FEV1<80%、慢性症状の有無を問わない

Ⅲ期:重症COPD

→FEV1%(FEV1/FVC)<70%、30%≦%FEV1<50%、慢性症状の有無を問わない

Ⅳ期:最重症COPD

→FEV1%(FEV1/FVC)<70%、30%≦%FEV1predictedあるいは

50%≦FEV1predictedかつ慢性呼吸不全あるいは右心不全合併

 

 

 

◯病期ごとの薬物治療

慢性期の薬物治療の目的は3つ:症状の緩和、肺機能の維持、急性増悪の予防

A期:有症状の時にSAMA頓用もしくはSABA頓用

(SAMA:アトロベントエアロゾル、SABA:メプチン)

B期:LAMA薬もしくはLABA

(LAMA:スピリーバ、LABA:オンブレス、ホクナリンテープ)

C期:ICSに加えてLABAもしくはLA抗コリン薬

(ICS+LABA:シムビコート)

D期:ICSに加えてLABA もしくはLA抗コリン薬 (C期と同じ)

 

(商品名の例)

◯SAMA(short acting muscarinic antagonist;短時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬)

→例:アトロベントエアロゾル®

◯SABA(short acting β2 agonist:短時間作用型β刺激薬):

→例:メプチンエアー®

◯LAMA(long acting muscarinic antagonist;長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬)

→例:スピリーバ®レスピマット、スピリーバ®吸入用カプセル

◯LABA(longacting β2 agonist:長時間作用型β2刺激薬):

→例:オンブレス®、セレベント50ディスカス®、ホクナリンテープ®(経皮吸収型)

◯ICS(inhaled corticosteroid:吸入ステロイド)

→例:パルミコート®(由来:pulmo(肺、呼吸器で使う)+cort(コルチゾル(ステロイド)

◯ICS+LABA

→例:シムビコート®(由来:Symbiosis (共生) + Cortisol (副腎皮質ホルモン))、アドエア®

◯LAMA+LABA

→例:ウルティブロ®(由来:究極を意味するUltimateと気管支拡張薬のBronchodilatorからウルティブロ)

 

ちなみに、COPDに対してはβ2刺激薬よりもムスカリン受容体拮抗薬の方が気管支拡張効果が大きいので初期治療にはスピリーバなどのLAMAを用いられることが多い。LABAはLAMAが使用できない患者やLAMA使用でも症状改善が乏しい患者に追加併用される。吸入ができなければLABAの貼り薬であるホクナリンテープを用いたりする。