オピオイドの使い方memo
オピオイドの使い方memo
◎WHOのガイドラインに則って
原則1:経口投与(経口で行けるならパッチ製剤や静脈投与、坐薬は使わない)
原則2:定時投与(痛みを感じてから飲むのではなく、痛みを感じなくて済むように定期的に投与)
原則3:痛みに応じた最適な鎮痛薬を投与(WHOの除痛ラダーに従って弱いものから投与)
◎WHOの除痛ラダー3段階
イラスト参照:http://gan-mag.com/qol/2408.html
第一段階:NSAIDSやアセトアミノフェン
第二段階:弱オピオイド(コデインリン酸塩)+非オピオイド鎮痛薬
第三段階:強オピオイド(モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなど)+非オピオイド鎮痛薬
【第一段階】
・長期継続投与になるためNSAIDSは胃粘膜障害に注意。予防としてエビデンスがあるのはミソプロストールとプロトンポンプ阻害薬の併用。H2ブロッカーはPPIより効果弱い。腎障害や喘息の誘発、血圧低下、ワーファリンとの相互作用にも気をつける。
【第二段階】
コデインリン酸塩散10% 1回20〜100mg,4−6時間毎に使用。
除痛効果はモルヒネの1/10程度。効果発現は約30分で、半減期は3.5時間
1日200〜300mg使用しても効果不十分であれば強オピオイドを考慮する。
【第三段階】強オピオイド
オキシコドン、モルヒネ、フェンタニルこれら3つでは除痛効果に差がないというエビデンス有り。
(オキシコドンについて)
オピオイドの開始方法(オキシコドンを例に)
徐放性製剤であるオキシコンチン®、速放性製剤オキノーム®、注射製剤オキファストがある。
方法1:速放性製剤のみで開始して徐放性製剤に切り替え
初回は2.5mgから開始して4時間ごと。眠前は一回5mg内服。
疼痛時はレスキューとしてオキノーム2.5mgを内服。一時間以上間隔を空けて使用。
方法2:徐放剤で開始
オキシコンチン一回5−10mg、1日2回で十二時間ごとに使用。
疼痛時はレスキューとしてオキノーム一回2.5mgを内服。一時間以上間隔を空けて使用。
方法3:持続皮下注・持続静注で開始
オキファスト12mg/日を持続投与。
疼痛時はPCAで1時間量をフラッシュ(30分以上間隔を空けて使用)
レスキューの使い方
痛みの増強や突出痛に備えて追加(頓服)で使える鎮痛薬を準備しておく(いわゆるレスキュー)。基本的には定時使用しているオピオイドと同じ種類のオピオイドを使う。
一回量の目安:内服や坐薬であれば1日量の10〜20%(約1/6量)。持続注射では一時間早送り。内服は一時間以上あけて、持続注射では15−30分開けて繰り返して使用可能。
オピオイド1日量とレスキュー投与量の関係↓
増量について
突出痛であればレスキューで対応するが、持続的な痛みがコントロールできていない場合はオピオイドの増量を考える。傾眠が生じない程度でオピオイドを増量させるが、投与量に絶対的な上限はない。増量幅は経口モルヒネ換算で120mg/day以下の場合は50%ずつ。120mg/day以上や高齢者、全身状態不良の患者では30%ずつ。
また追記します。