つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

脂肪不足で脂肪肝になる理由

脂肪肝とは脂肪の摂取過剰で肝細胞に脂肪が蓄積していき生じる病態である。

が、面白いことに?脂肪の摂取不足でも脂肪肝になる。

 

タンパク質をつくる工場である肝臓では、アポリポタンパク質という脂肪の輸送に関わるタンパク質の産生が行われている。肝臓ではタンパク質の他にコレステロールをつくる働きもあるので、肝臓で脂質輸送のアポリポ蛋白がうまく作られないと肝臓で作られたコレステロールを外に運ぶことができなくなる。故に肝細胞にどんどんとたまってしまい脂肪肝になるのである。アポリポタンパク質の材料はアミノ酸であるが、これに加えて必須脂肪酸であるリノール酸が欠乏しても肝臓にトリグリセリドやリン脂質が蓄積することが知られており、結局は3大栄養素である糖、タンパク質、脂肪いずれも揃っていないと脂肪肝になってしまうのである。