つねぴーblog@内科専門医

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移転しました。

脳保護薬エダラボン(ラジカット®)とは

脳梗塞で生じる神経細胞死から神経組織を保護する目的で脳保護薬が用いられる。

神経細胞が虚血状態になってから死に至るまでの過程においては興奮性神経伝達物質のグルタミン酸や細胞内へのカルシウム流入、アポトーシス、フリーラジカルなどが関与していると考えられており、これらをブロックすることで神経細胞死を抑制することができるのではないかと期待されている。

 

日本において有効性が確認されている脳保護薬としてエダラボン(ラジカット®)がある。エダラボンはフリーラジカルの捕捉剤(フリーラジカルスカベンジャー)であり、脳梗塞領域で生じたフリーラジカルによる細胞膜脂質の過酸化を抑えることで細胞死を抑えていると考えられている。脳梗塞型による効果の差は明らかになっていないが、小さなラクナ梗塞や大梗塞などにおいては効果は乏しいと考えられている。脳梗塞後24時間以内の使用が適応となっているが、メカニズムからしてより早期の投与のほうが効果が高いと考えられている。ちなみにラジカットの名前の由来はfree radical cut

 

また、ラジカット®脳梗塞急性期以外にもALS(筋萎縮性側索硬化症)にも適応がある。ALSの発症や進行にもフリーラジカルの関与が示唆されているため、ラジカット投与で神経細胞死を抑制できるのではないかと考えられている。