つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

肝胆系酵素上昇の原因と鑑別

肝胆系酵素上昇の原因と鑑別

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まずASTやALTなど肝逸脱酵素がメインで上がっているのか、それともALPやγGTPなど胆道系酵素がメインで上がっているのか、それとも両方とも上がっているのかをみる。

端的に言えば

・トランスアミナーゼ<500でALP>正常上限の3倍であれば胆道閉塞

・トランスアミナーゼ>500でALP<正常上限の3倍であれば肝細胞傷害

を考える。

 

●AST,ALT優位型の場合

・肝臓以外の原因であがってる可能性を考える(甲状腺機能亢進症など)

・AST優位で上昇していれば心筋梗塞など筋破壊も鑑別に

(軽度上昇の場合(基準値5倍以内))

・アルコール性肝炎(AST/ALT>2、血小板減少、飲酒歴、肝硬変の有無)

・NAFLD(非アルコール性脂肪性肝炎):肥満体型、生活習慣病の有無、ステロイド内服歴など

・薬剤性(内服薬、漢方、サプリメント。中止して肝機能改善するかどうかフォロー。

・正常上限1.5〜2倍までの値であれば経過観察、正常上限2倍以上が半年持続するようであれば肝生検考慮

(中等度上昇(トランスアミナーゼ500以下))

・閉塞性黄疸、肝硬変、アルコール性肝炎、AIDSによる肝炎などが鑑別に上がる。

逆に500を超えていれば閉塞性黄疸やアルコール性以外を考える必要がある。

(高度上昇(トランスアミナーゼ1000以上))

・ASTやALTが1000以上になるようなものはショック肝、ウィルス性肝炎、薬剤性肝炎が多い。

 

 

●ALP、γGTP優位型の場合

・ALP、γGTP両方共上昇していれば肝臓疾患を考えるが、

・ALPのみの上昇であれば骨疾患を考える(甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症なども)

肝胆系の問題だとすれば胆道の慢性炎症、浸潤性疾患、胆道閉塞、胆汁うっ滞をきたす薬剤の4つに分けて考える。→腹部エコーで結石や腫瘍などスクリーニングする。

 

 

●混合型

トランスアミナーゼが500以上、ALPが正常上限3倍以上のように両方共に高値であれば肝臓疾患、胆道系疾患両方を鑑別に上げる必要がある。が、経過を追うことでいずれかのパターンに収束することが多い。

 

おまけ)

ビリルビン単独上昇の場合

直接ビリルビン、間接ビリルビンどちらが上昇しているのかで鑑別を考える。

直接ビリルビンのみ上昇で他の肝胆系酵素が正常であれば体質性黄疸の可能性も。

間接ビリルビン上昇の場合は溶血や無効造血、血腫などを考える必要がある。

 

 

また追記します。。。