下痢で低ナトリウム血症になる理由
下痢で低ナトリウム血症になる理由
下痢便にはナトリウムが含まれているためそれにより低ナトリウム血症をきたすと考えられがちであるが実際にはそうではない。下痢便に含まれるナトリウム量は下痢の原因にもよるがおよそ50mEq/l前後と言われている。よって血漿中のNa濃度よりも低いのでNaの喪失よりも水分の喪失のほうが多いということになり、下痢をすれば水が多く出ていくわけであるのでむしろ高ナトリウム血症になる(理論的には)。
ではなぜ下痢で低ナトリウム血症になるのか。
1,下痢によって脱水になるとADHの分泌が亢進し、腎臓集合管での水の再吸収が促進される。2,脱水によって飲水したり、低張な輸液をされることにより体内の自由水が更に増えてからなどと教科書的には説明されている。
*)下痢便でのナトリウム濃度は50mEq/l程度と書いたが、コレラの場合だと130mEq/lと高濃度のNaが排泄されてしまうらしい。