つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

便潜血陽性の意義とその感度

◯健康診断で便潜血陽性を指摘された場合の対応

便潜血は大腸がんのスクリーニングとして用いられるが、その感度は必ずしも高くない。便潜血には1回法と2回法があり、1回法の検査では進行大腸がんの感度が60%ほど、2回法では90%ほどと言われている(二回法とは異なる日で二度便潜血検査をして片方でも便潜血あれば陽性とする)。

一度だけでは見逃しリスクが高いので基本的には2回検査することがのぞましい。早期の大腸がんであれば2回検査しても50%ほどしか検出できない。(感度は進行度や報告によってだいぶ差があるが、必ずしも高いものではないということだけは知っておくべき。)

 

1回でも便潜血陽性であれば大腸がんの可能性があるので大腸内視鏡による精査が勧められる。逆に2回とも便潜血陰性であっても大腸がんの否定はできないので他に原因不明の鉄欠乏性貧血があったり患者の希望のある場合には大腸内視鏡の適応となる。

 

◯偽陽性の問題

便潜血は主に大腸がんスクリーニングとして用いられるが、その他の疾患でも陽性になりうる。例えば、大腸ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、痔出血、歯肉出血など(場合によっては歯ブラシによる傷からの出血でも偽陽性になりうる)。よって便潜血陽性だからといって大腸がんと短絡的に考えてはならない。

他にもHbやヘム類似化合物を含む食事(動物性蛋白質や生食野菜)や緩下薬やヨード剤など薬剤も偽陽性の原因となる(便潜血には化学法と免疫法があるが免疫法であれば食事の影響を受けず特異度が高くなる)。

 

◯大腸がん検診ガイドラインでは

便潜血検査免疫法の感度(大腸がんがある場合に便潜血検査が陽性となる確率)は対象とした病変の進行度や算出方法によってかなりの差があり、30.0〜92.9%でした。一方で、化学法の感度は25〜80%と報告されており、免疫法の感度は化学法の感度と同等もしくはそれ以上と判断されました。 

 とのこと。特異度に関しては記載なし。