つねぴーblog

元「とある研修医の雑記帳」。アウトプットが趣味です。医学以外の事も投稿するやもしれません。

顔面神経麻痺への初期対応

顔面神経麻痺を診るポイントは何と言っても中枢性か末梢性かの鑑別。

 

 

・顔面神経麻痺では額のしわ寄せ不可、閉眼不可、鼻唇溝の消失、口の閉鎖不全などの症状を呈するが、末梢性顔面神経麻痺であれば一側性の全ての症状が出揃うのに対して、中枢性であれば額のしわ寄せは反対側の代償により可能である。

詳しくは↓過去記事参照

末梢性顔面神経麻痺と中枢性顔面神経麻痺の鑑別 

 

中枢性顔面神経麻痺の原因として脳梗塞や脳腫瘍などが挙げられる。が、これらの頭蓋内病変の場合神経症状で顔面神経麻痺のみが出現するということは稀ではあるので他の神経学的所見がないかよく確認する。中枢性が疑われたら頭部CTは必要。

 

・顔面神経麻痺の多くは末梢性。それも特発性(原因不明)のベル麻痺。単純ヘルペス1型が関与しているとも言われている。典型的には48時間以内に症状はピークに達し、徐々に自然軽快していく。長い場合は1周間ぐらい症状が増悪していくこともある。1割の患者は再発を繰り返すため既往歴の確認も重要。

 

・ベル麻痺と鑑別しないといけないものとしてramsay-hunt症候群がある。これは顔面神経麻痺に加えて耳介の水疱や難聴、めまいなどの内耳障害も起こす。が、皮疹は初期には出現しない例もあるのでベル麻痺との鑑別が難しいこともある。

 

・ERでの初期治療が大事。

ベル麻痺は基本的には予後は良いが、中には重症化して後遺症を残すものもある。初診の段階で予後の判定は出来ないので基本的には全例ステロイド投与で症状増悪を抑える必要がある。ERではプレドニン30mg/dayを処方し帰宅させ早期の耳鼻科受診を指示する(ER実践ハンドブック参照)。

その他耳介の疼痛が強くramsay-huntが疑われれば帯状疱疹ウイルスが原因と考えられるのでバラシクロビル(バルトレックス®)を併用する。麻痺が強く閉眼ができない場合は角膜乾燥してしまうのでヒアルロン酸(ヒアレイン®)点眼液とオフロキサシン(タリビッド®)眼軟膏の処方も大事。ステロイドの投与量は麻痺の重症度で変える必要があるので細かい判断は耳鼻科医に委ねるべき。